今季も二刀流での奮闘を続けている28歳のサムライは、ここにきて復調してきている。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平だ。

 夏場のスタッツは目を見張るものがある。8月1日から9月6日(現地時間)までの約1か月半で、打っては打率.305、10本塁打、OPS1.028のハイアベレージを維持。投げても勝利数こそ2勝ながら防御率1.96、WHIP1.12というエース級の働きだ。

 現地時間9月7日には今季33号をマーク。無論、日本人選手が30本塁打を複数回達成するのは史上初で、「シーズン30本塁打&2桁勝利」はメジャー史上初の快挙。このヒストリカルな活躍には反響が止む気配がない。

 ここまでの活躍もあって、大谷は今季もア・リーグMVPの有力候補だ。現地時間9月7日にシーズン55号を放ち、同リーグの年間記録を超える66本ペースで本塁打を量産するアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が強力なライバルとして君臨するが、唯一無二の二刀流を貫く男の“価値”を評価する声は日増しに強まっている。
  そんなMVPを巡る論争に一石を投じたのが、かつてNBAのピストンズやペリカンズで監督を務めたスタン・ヴァン・ガンディ氏だ。かねてから米スポーツ界における大谷の存在に賛辞を送ってきた名伯楽は、自身のツイッターで、持論を振るった。

「確かにアーロン・ジャッジは信じられないような活躍をしている。だが、我々は彼がやっているようなことをする人たちを過去に見たことがある。しかし、オオタニのやっていることは見たことがない。もし、オオタニがヤンキースでプレーしていたらMVPを獲得して逃げきるだろう」

「もしも、オオタニが強豪にいれば」――。これはSNSなどで度々論じられてきた意見ではある。これをキッパリと言い放ったヴァン・ガンディ氏のもとには“反論”が殺到。だが、アメリカン・スポーツの酸いも甘いも熟知する同氏は「ジャッジは素晴らしいが、オオタニは過小評価されているようだ」と説いた。

「私はWARのようなスタッツがオオタニという選手を正しく数値化しているとは思えないんだ。それにより優れたチームで、より優れた仲間たちとプレーした選手が票を得るのか? それも私には全く理解ができない」

 もはや数字では推し量れない水準に達しつつある大谷。本人が「楽しい」とも語っているジャッジとのMVPレースが白熱するなかで、稀有な存在感はますます大きくなっている。

構成●THE DIGEST編集部

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