現地時間9月8日、サンフランシスコの地元メディア『NBC Sports Bay Area』にNBAレジェンド、ティム・ハーダウェイの記事が公開された。

 ハーダウェイはゴールデンステイト・ウォリアーズやマイアミ・ヒートなどで活躍し、キャリア13シーズンで平均17.7点、3.3リバウンド、8.2アシスト、1.65スティールを記録したポイントガード。

 オールスターとオールNBAチームにそれぞれ5回選ばれた司令塔は、10日にシンフォニー・ホールで開催される式典でバスケットボール殿堂入りを飾る。プレゼンターにはウォリアーズ時代の同僚クリス・マリンとミッチ・リッチモンドのほか、アイザイア・トーマス、ヨランダ・グリフィス、ネイト・アーチボルドが務めることが決まっている。

 記事の中で、ハーダウェイはウォリアーズの現エース、ステフィン・カリーについて「彼がこなしていること、どうやっているかを考えるとクレイジーだね。もう信じられないよ」と賛辞を述べた。
  プロ13年目の昨季、カリーはレギュラーシーズンの通算3ポイント成功数でレイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか)を抜いて歴代1位に浮上。2月のオールスターゲームでは16本もの長距離砲を含む50得点を奪ってMVPを受賞した。

 左足の靭帯捻挫から約1か月ぶりに復帰したプレーオフでも怒濤のスコアリングショーを開演し、ウォリアーズが4年ぶり通算7度目の優勝を飾る立て役者となり、自身初のファイナルMVPにも輝いた。

 ハーダウェイはカリーについて、成熟した現在のプレーぶりだけでなく、キャリア序盤に苦しんだ足首のケガを克服したことも称えていた。

「多くの人たちは、彼はもう終わったと思っていた。それは足首のケガが重なってキャリアが短くなってしまうだろうと見ていたからなんだ。彼は足首を強化するために励んできた。そして舞い戻って『僕はここにいる。一生懸命プレーして、この組織のために試合に勝つため、チャンピオンシップを勝ち取るためにここにいるんだ』と示してみせた」 3年目の2011−12シーズン。カリーは足首の手術に踏み切ったこともあり、66試合の短縮シーズンで計40試合の長期欠場を余儀なくされた。

 そこから見事に這い上がり、オールスター、さらにはリーグMVPとなってウォリアーズを優勝へ導く選手に成長。ハーダウェイは「彼のことを称賛する」と口にし、昨季のプレーオフをこのように評していた。

「彼がどれだけフォーカスしていたかが私にはわかる。彼はどうフォーカスするか、どのようにプレーするか、チームを勝たせるためには何が必要なのかを理解していた。そして見事にコート上でやってのけた。オフェンスとディフェンスの両面でね」

 昨季カンファレンス・ファイナルで対戦したダラス・マーベリックスのジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)が「ステフはバスケットボール界でベストコンディションのアスリートだ」と評していたように、ハーダウェイもカリーのコンディショニングについて太鼓判を押す。
 「それはもう、日々やっていくことなんだ。1日1日、年数をかけて積み上げていくことなのさ。私はステフのことを称えるよ。なぜなら彼はどの試合でもコートへ立ってハードにプレーするからね」

 スイッチディフェンスが多用される現代NBAでは、プレーオフという短期決戦になるほど、ディフェンスに難がある選手に狙いを定めて攻め立てるケースが目立つ。昨ファイナルではボストン・セルティックスがその手法でカリーを狙ったが、彼は日々のトレーニングで磨いた肉体を駆使して耐え抜いてみせた。

 キャリア序盤に負った相次ぐケガを乗り越え、万全のコンディションをキープして戦い続けるカリー。34歳となった今もなお、リーグのトッププレーヤーの1人でいられるのは、長年の地道なトレーニングの賜物だろう。

文●秋山裕之(フリーライター)