歴史的にも稀なほどの激戦が繰り広げられている。今季のア・リーグMVPレースだ。

 熾烈なトップ争いを繰り広げているのは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。ともにシーズン終盤に入っても勢いは衰えるどころか、さらに増している。

 昨シーズンの“覇者”である大谷は直近7試合で打率.370、3本塁打、長打率.815と図抜けた打撃成績をマーク。投手としてもメジャーキャリア自己最多となる11勝をあげ、現地時間8月31日のニューヨーク・ヤンキース戦では、史上初となる「シーズン30本塁打+2桁勝利」の偉業もやってのけた。

 かたやジャッジもロジャー・マリスが1961年に樹立したア・リーグ年間本塁打記録(61本)超えを射程圏に捉える55本塁打を記録。ちなみに右打者での55本はヤンキース史上最多の本数である。それ以外にも打率.304、119打点、OPS1.092と軒並みハイアベレージを残し、“怪物スラッガー”たる所以を見せつけている。

 どちらも異彩を放っているだけに、MVP受賞を巡っては現地の各メディアでも熱い議論が連日のように展開されている。そうしたなかで「大谷推し」を主張したのは、かつてボストン・レッドソックスなどで活躍したペドロ・マルティネス氏だ。
  現役時代にメジャー通算219勝をあげ、殿堂入りも果たしているレジェンドは、米放送局『TBS』の人気スポーツ番組「Read off」に出演。米球界の酸いも甘いも経験してきた実体験から「去年も私は議論したんだが、1000イニング守備に就くことは意味があるのか?」と主張。これに出演者で、2007年のナ・リーグMVPであるジミー・ロリンズが「もちろん。意味はある」と反論すると、「それこそが、MVPはオオタニだという論拠になる」と持論を展開した。

「もちろん、私はジャッジも評価している。しかし、オオタニはすでに130イニング以上投げているんだ。それがどれだけ足に負担になるのかを君たちはわかっているのか? 私はピッチャーだったからわかる。打者でありながら、あれだけの三振を取るのがどういう意味なのかをね」

 さらに「価値という部分についても考えよう」と語るマルティネス氏は大谷がエンジェルスの勝利の70%を担っていると訴え、投打でチームを牽引するのは「至難の業」と指摘。そのうえでジャッジには「背後に本当に優秀なチームがある」と、チーム戦力の違いを論じた。

「オオタニはねじ伏せてきたんだ! ヤンキースを除く全てのチームをね。誰に投票すべきかを、投票者には真剣に考えてほしい。安易に61発以上、あるいはそれに近い数を打ったからジャッジだ決めつけてほしくない。去年、ブラディ(ゲレーロJr.)はほぼ三冠王だったが、オオタニは満票獲得しているんだ! もしも、オオタニが再び40本塁打、100打点、そして今のピッチングを続けたとしたら……。これは本気でオオタニのシーズン終了時の数字を見て、決めた方がいいと思う」

 日々あらゆる意見が飛び交っている。そうしたなかで、ア・リーグのMVPレースを制するのは、大谷か、ジャッジか。その行方から全く目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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