3年連続でオールスター出場中のドノバン・ミッチェルは今オフ、NBA入りから5年間在籍したユタ・ジャズからクリーブランド・キャバリアーズへのトレードで移籍した。有力視されていたニューヨーク・ニックスへの加入は結果的に実現しなかったが、殿堂入り選手で人気コメンテーターのチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)は、ニックスが無謀なトレードに踏み切らなかったことを評価している。

 リーグトップクラスの得点力を誇るミッチェルは、NBAに足を踏み入れた2017−18シーズンから5年連続で平均20得点以上をマーク。昨季はレギュラーシーズン67試合に出場してリーグ9位の平均25.9点、4.2リバウンド、5.3アシスト、3年連続でオールスター出場を果たした指折りのスコアラーだ。

 だが、所属するジャズは昨季プレーオフ1回戦、ダラス・マーベリックスにシリーズ成績2勝4敗で敗れ、早々にシーズン終了。するとオフに突入してすぐに、二枚看板を担ってきた主軸センターのルディ・ゴベアをミネソタ・ティンバーウルブズへトレードするテコ入れを敢行した。
  それに伴い、エースのミッチェルも退団の噂が過熱。候補先は生まれ故郷のニューヨークを拠点とするニックスが有力視されていた。しかし『The Athletic』によれば、ジャズはミッチェルの交換要員としてクエンティン・グライムズ、イマニュエル・クイックリー、オビ・トッピンとドラフト1巡目指名権6つを要求したとされ、ニックス側はそれに難色を示し、最終的にトレード交渉からは撤退したという。

 結局ミッチェルは、コリン・セクストン(サイン&トレード)、ラウリー・マルッカネン、オチャイ・アバジ、2025年のドラフト1巡目指名権、2026年の指名交換権、2027年のドラフト1巡目指名権、2028年の指名交換権、2029年のドラフト1巡目指名権とのトレードで、キャブズに新天地を求めることになった。

 ニックスはリーグ屈指のオフェンシブガードを獲得するチャンスを逃したが、元NBA選手のバークレーは、結果的にニックスにとっては奏功したと考えているようだ。『SiriusXM NBA Radio』のインタビューで、ニックスのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼シニア・バスケットボール・アドバイザーを務めるウィリアム・ウェスリーとの会話内容を明かしている。
 「俺は『なぜトレードしなかったんだい?』と聞いたんだ。彼は『間違いなく、我々は取引を望んでいた』と言った。でも『彼ら(ジャズ)はドノバン・ミッチェルの見返りに、私の妻、私の子ども、私の孫を欲しがっていた』らしい。(それくらいジャズは)不当な利益を得ようとしていたから、『見送る』と言っていたよ」

 名門ニックスのオフシーズンといえば、積極的に補強に動くもその多くが失敗に終わった印象が強い。ミッチェルを迎え入れることにこだわらず、すべてを手放さなかったニックスの姿勢をバークレーは称賛している。
 「俺はドノバンが好きだし、彼はとてもいい選手だ。だが、選手のためにすべてを与えることはできない。だから、ニックス関係者を評価したい。ニックスが自制を示したのは久々のことだからね」

 ニックスとしては来たる2022−23シーズンに好成績を収め、今オフの動きが正しかったと証明したいところだ。

構成●ダンクシュート編集部

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