今夏のフリーエージェント(FA)戦線は、ダラス・マーベリックスのジェイレン・ブランソンがニューヨーク・ニックス、マイアミ・ヒートのPJ・タッカーがフィラデルフィア・セブンティシクサーズと契約。

 トレードではユタ・ジャズのルディ・ゴベアがミネソタ・ティンバーウルブズ、ドノバン・ミッチェルがクリーブランド・キャバリアーズ、サンアントニオ・スパーズのデジャンテ・マレーがアトランタ・ホークス、インディアナ・ペイサーズのマルコム・ブログドンがボストン・セルティックスへ移籍した。

 一方で、カイリー・アービングはプレーヤーオプション(PO)を行使してブルックリン・ネッツへ残留、ジェームズ・ハーデンはPOを破棄してFAとなるも、シクサーズと再契約。

 そして最も話題になったのはネッツのケビン・デュラント。FA戦線初日にフロントへトレードを要求したと報じられ、ヒートやフェニックス・サンズ、トロント・ラプターズ、ボストン・セルティックス、シクサーズが移籍先候補に挙がっていた。

 だが8月下旬にネッツはデュラントとフロント陣によるミーティングの末に共闘していくことに合意。リーグの勢力図を変える可能性を秘めていたスーパースターのトレード話はネッツ残留で決着がついた。
  そんななか、現地時間9月11日にゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーの独占インタビューが『Rolling Stone』へ公開。8月上旬に収録されたインタビューにて、カリーはデュラントのトレード騒動をこう語っていた。

「チーム内で極秘に『もし彼(デュラント)が獲得可能ならどうしたい?』という話はあった。どのチームもそういう話をした。で、このチームは僕へ連絡して『君はそのことについてどう思う?』と聞いてきたのさ」

 デュラントは2016年夏にFAでウォリアーズへ移籍し、3シーズンをチーム生え抜きのカリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンらとプレー。17、18年の連覇時にはファイナルMVPに輝いている。

 彼が在籍していた3シーズン。ウォリアーズはいずれもシーズン勝率で球団史上トップ6に入っていることからも、生え抜きビッグ3とデュラントによる破壊力の大きさを見てとることができる。

 とはいえ、ウォリアーズは昨季、デュラント退団後に入団したアンドリュー・ウィギンズやジョーダン・プールといった選手たちが成長を遂げ、4年ぶりのチャンピオンに返り咲いた。
  だがカリーはネッツでデュラントのチームメイトである弟セスにも話を聞いたことを告白。デュラントとの再共演を支持することに「ためらうことはなかった」という。

「KD(デュラント)と一緒にプレーするアイデアもそうだし、僕は彼がどんな人間なのか、あの3年間で作った歴史も知っているから、KDが本当にいい人なんだと思っている」

「もし誰かに『KDが戻ってくる。我々は一緒にプレーすることになる』と言われたら、僕は彼とプレーした3年間がもの凄く楽しかったから『やった!』って感じになるだろうね」

 もっとも、カリーが今のチームメイトたちのことをネガティブに見ているわけではない。
 「もし誰かが『お前がこの会話を楽しんじゃダメだろ』と言ったとしても、僕はチームにいる皆のことを誰一人として軽視してはいない。それにうまくいくかなんてわからないからね。このメンバーでまた戦うことができたら、僕にはまた優勝することに100%の自信がある。それはすでに(チームとして)構築されているからさ」

 結果的にデュラントの古巣復帰は実現せず、現在のカリーは、9月24日から始まるトレーニングキャンプに向けて調整を続けている。連覇がかかる今季はどんなことが待ち受けているのか。まずは9月30日と10月2日に日本で開催されるジャパンゲームズを楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)