どちらも凄まじく、優劣がつけがたい。だからこそ、現地識者やメディアでの論争は白熱するのだろう。今季のアメリカン・リーグにおけるMVP争いだ。

 レギュラーシーズンの幕切れが迫るなかで、MVP獲得を巡るレースのトップを争うのは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)。互いにその活躍ぶりは球史に残るほどハイレベルだ。

 昨季にMVPを獲得する一大センセーションを巻き起こした大谷は今季も好調を維持。MLB史上初となる「シーズン30本塁打&2桁勝利」を達成するなど、ここまで34本塁打を放ちながら13勝を挙げている。一方でジャッジは現地時間9月19日時点で59本塁打を放ち、ア・リーグのシーズン記録となる61本まで肉薄。さらに打率部門のわずかな差で、三冠王にも迫っている。

 もはや個人の野球観に託すしかない状況下。ゆえにあらゆる意見がSNSを中心に飛び交うなかで、米スポーツ専門チャンネル『Bally Sports』は、「アーロン・ジャッジは本塁打を打ちまくっているが、ショウヘイ・オオタニの二刀流の価値には届かない」と銘打った記事を掲載。そのなかで、MVPに対する持論を展開した。

 同メディアは、「ジャッジが残した成績はリーグMVPを受賞するには十分」と訴えながらも、「オオタニが存在することが彼にとっては残念だった」と強調。そして、こうも記した。

「オオタニがホセ・ラミレスと同等の打者であり、ゲリット・コールよりも優れた投手であるという事実を理解し、すべてをまとめなければならないのは、(MVPの)投票権を持つ人間にとって容易なことではない。ジャッジはこの世のものとは思えないほど素晴らしいが、オオタニは異次元からやってきた者なのだ」
  近年のMVPでは、「WAR」という指標がひとつのカギを握っている。控えレベルの選手の出場時と比較してどれだけチームの勝利を増やしたかを示すセイバーメトリクスだが、同メディアは「オオタニにWARは通用しない」とキッパリ。その理由として、「そもそも代替選手が見つけられることを前提にしている指標だ。彼と同じような選手は他にいない」と理由を並べた。

 日夜メジャー中継も頻繁に担っている『Bally Sports』。それだけにジャッジの功績を評価しないわけではない。シーズン59本塁打はア・リーグの右打者史上最多の本数であり、ほかの打撃スタッツやチームへの献身ぶりも十分にMVPに値すると見てはいる。

 だが、同メディアのレポートは、次のように結ばれた。

「たとえ投げられなくてもジャッジはMVPをおそらく獲るだろう。だがしかし、彼は誰かを打ち取りでもしない限り、オオタニが築く領域には入れない」

構成●THE DIGEST編集部

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