ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは、1シーズン402本、通算3117本など3ポイントに関する数々の金字塔を打ち立て、バスケットボールの常識を根底から覆した稀代のシューターとしてNBA史に名を刻んでいる。

 そんなカリーが絶大な人気を誇る理由として、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やシャキール・オニール(元レイカーズほか)とは決定的に異なる要素があると、あるNBAアナリストが興味深い見解を展開した。

 2009年のドラフト全体7位でNBA入りしたカリーはこれまでリーグ優勝4回、シーズンMVP2回(史上11人目の2年連続受賞)、昨季はプロ13シーズン目にして初のファイナルMVPも手にし、名実ともに現役最高の選手の1人となった。

 2022−23シーズンの年俸が4800万ドル(約68億3000万円)で、ラッセル・ウエストブルック(4700万ドル・約66億8000万円/レイカーズ)やレブロン(4450万ドル/約63億3000万円)、ケビン・デュラント(4410万ドル・約62億7000万円/ブルックリン・ネッツ)らスーパースターを抑えてリーグトップなのも納得だろう。

 来年3月には35歳を迎えるなかで、今月にはパートナーシップを結ぶ「アンダーアーマー」が10億ドル(約1420億円)以上の終身契約をオファーしたと報じられた。NBA選手のなかでも生涯契約を手にしたのは、神様マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズほか)やレブロンら限られた数人のみ。身長188cm・84kgと決して体格に恵まれているわけではない男が、レジェンドの仲間入りを果たす。
  米放送局『ESPN』アナリストのザック・ロウは同局の番組『NBA Today』に出演した際、「カリーは10億ドルに値するか?」との質問を受け、最大限の賛辞を送っている。

「彼はそれに値する! バスケットボールを変えた男について話す時、彼は一線を画す。初めてファイナルMVPに輝き、さらにチャンピオンシップも加えた。ステフィン・カリーこそがバスケットボールだ」

 また、「最も市場価値のある選手か?」との問いには「彼は人気があり、市場性も高い」と答えた上で、身体能力に恵まれたビッグマンやオールラウンダーではない点も、カリーが観る者の心を掴む理由だとロウは見解を述べている。

「彼の(大きくない)サイズとプレースタイルにより、子どもたちはシャックやレブロンにはない感情移入ができる。ステフはみんなのチャンピオンなんだ」

 殿堂入りしている怪物センターのシャックや、歴代2位の通算3万7062得点を誇るレブロンら、規格外の身体能力を持つレジェンドに対し、より身近な存在であることこそがカリーの愛される所以かもしれない。

構成●ダンクシュート編集部