9月29日、陸上短距離の桐生祥秀が自身のYouTubeチャンネルで、難病を患っていたことを告白した。

 元日本記録保持者は、今年6月の日本選手権100メートルで10秒27で6位に終わると、直後に今季は休養に充てると発表。その詳細は明かされぬままだったが、ついに公の場で休養に至る経緯を語った。その理由には「9秒台のプレッシャー」と「病気」の2つを挙げた。

 まず9秒台のプレッシャーについては、「誰が最初に9秒台で走るのか」という点について世間でフォーカスされていた事と言い、「僕のなかでは、ちょっときつかった。10秒0台でゴールすれば、ため息。10秒1台でもため息。大4の9秒台出すまで、良かったねと拍手されてゴールすることって5年くらいなかった」と振り返る。

 そしてもう一つが、大学2年生の時から潰瘍性大腸炎という難病を抱えていたと明かし、「あまり陸上のことを考えるとお腹が痛くなるから(考えるのを)止めた。これくらいの結果を出したら良いだろうと自分のなかで決めて(やった)」と話し、以下のように続けた。
 「その時は良かったんですけど、いざちょっとずつ治ってみると(症状が軽くなると)、それが直せなくなってきて。最近試合に出ても、これぐらいの結果だったらノルマ成功かなとか、そんなん絶対ダメって思っていながらも、どこかで代表になったらノルマ完了かなとか…。それって上に行く人の考えではないと思うんですけど、そういうのがここ数年続いていた」

 そして「日本選手権も予選とか準決勝走った後に、予選誰と走ったかも覚えてないし、準決勝も何も記憶がないんですよ。それだけ陸上に興味がなくなっていた」と口にし、休養期間を設けたことを明かした。

 元日本記録保持者は、来月から練習などを再開すると発表した。プレッシャーや病と闘いながら、日本のトップを走り続ける桐生。そんな彼が再び、日の丸を背負い駆け抜ける姿を心待ちにしたい。

構成●THE DIGEST編集部