ドイツのアイントラハト・フランクフルトは欧州チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ最終節でポルトガルのスポルティングを2対1で下し、グループDを2位でフィニッシュ。堂々の決勝トーナメント進出を決めた。
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 同じ勝点で迎えた直接対決。1点をリードされたなかで迎えた62分、PKで貴重な同点ゴールを決めたのが、この試合でも2ボランチの一角としてスタメン起用された日本代表MF、鎌田大地だった。キックの際、相手サポーターからレーザー光線を照射されるも、まったく動じることなく、笑顔を浮かべる精神力の強さを見せると、11メートルの対決ではゴールキーパーの逆を突いてゴールネットを揺らした。

 ドイツ・サッカー専門誌『Kicker』の採点(1〜6で低いほど優秀)では、72分に殊勲の決勝点を挙げたランダル・コロ・ミュアニと並ぶ「2」の最高点を与えられた鎌田。さらにフランクフルトの現地紙『Frankfurter Rundschau』からは、以下のようにポジティブに評されている。

「序盤は試合をコントロールできず、ダイチ・カマダは早い段階(14分)でイエローカードをもらったが、それでも彼は勇気を失わず、挑戦を続けた。後半はよりアグレッシブな動きを披露。なかなかゴールに結びつかなかったものの、11メートルの位置から氷のような冷静さでゴールを決めてみせた」
 
 3戦連続のゴールで、日本人選手としてはシント=トロイデン(ベルギー)の香川真司(4点)に続いてCL通算得点記録の2番手(本田圭佑と同数)に浮上。データサイト『Opta』によれば、欧州5大リーグに所属し、全コンペティションにおいて今季30本以上のシュートを放っている選手のなかで、鎌田はもっとも決定率が高いという。

「38.7%」(シュート31本で12得点)を記録した日本人選手に続くのは、マンチェスター・シティ(イングランド)のアーリング・ハーランド(33.9%/シュート65本/22得点)、パリ・サンジェルマン(フランス)のネイマール(29.2%/48本/14得点)、RBライプツィヒ(ドイツ)のクリストファー・ヌクンク(27.1%/48本/13得点)、そしてバルセロナ(スペイン)のロベルト・レバンドフスキ(26.5%/68本/18得点)といった錚々たる顔ぶれだ。

 攻撃的な役割だけでなく、中盤の下がり目で守備やゲームメイクなどに費やす時間も多い。機を見て前線に上がっては決定機にうまく絡み、確実にゴールを決め続けてきた。この決定率のデータからは、鎌田がいかに効率良く、かつ効果的なプレーを見せているかが窺い知れる。 このように結果を出し続けている選手には、当然ながら欧州の他リーグのクラブから関心が寄せられるものだ。

 フランクフルトとは2023年6月までの契約を結んでいる。現時点で延長されていない彼の去就には今夏も注目が集まったが、この数日で多くの現地メディアがスペインのセビージャやイングランドのエバートンからの強い関心を伝えている。

 セビージャについては、同クラブの名物SDモンチが以前から鎌田に目をつけていたようで、スペインの日刊紙『LA RAZON』は来夏にフリーに獲得するべく交渉を行なうと報じている。一方エバートンに関しては、英国のスポーツ専門サイト『Sport Mole』が「エバートンのフランク・ランパード監督は今夏に守備的MFの強化を優先した。その結果、今シーズンはファイナルサードでの力が弱く、プレミアリーグ13試合で11得点(下から3位タイ)しか奪えていない。ゆえに鎌田の契約交渉を監視するとともに、アプローチする可能性もある」と記した。

 こうした報道は、実現するとしても来夏の獲得になる場合が多いが、なかには冬の移籍市場での動きも示唆している。前述の通り、フランクフルトがCLで決勝トーナメントに進んだこともあり、鎌田が冬に所属チームを変えるメリットはないとの見方がほとんどだが、彼自身がプレミアリーグでのプレーを希望しているため、年明けの移籍市場を注視する必要がありそうだ。
 
 11月1日にカタール・ワールドカップの日本代表メンバー26名が発表され、大迫勇也(ヴィッセル神戸)や古橋亨梧(セルティック)といった典型的なセンターフォワードが外れた。そして選ばれた陣容から見て、森保一監督が鎌田に攻撃面で大きな役割を託すのは明らかだろう。この中東での1か月間が、彼の価値を大きく変動させる可能性があり、それによって新たなクラブによる争奪戦の勃発もあり得る。

 ちなみに、ドイツの移籍専門サイト『Transfer Markt』が「ダイチ・カマダは(プレミアリーグ・アーセナルの)タケヒロ・トミヤスと並んで2200万ユーロ(約32億円)と、日本でもっとも市場価値の高い選手である」と紹介する一方で、ドイツのニュース番組『tagesschau』は「日本では『スターはチーム』であり、卓越したスキルと経験を持つカマダらを擁しても、“際立つ”選手はいない」と指摘している。

 はたして、今が旬とも言える“日本のスター”は、この2か月間でさらなる話題を世界に提供し、よりそのグレードを高めることができるのか。期待を持って見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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