開幕8試合で2勝6敗と大きく出遅れ、現地時間11月1日にスティーブ・ナッシュHC(ヘッドコーチ)を解任したブルックリン・ネッツ。ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ベン・シモンズら実力者を擁しながら苦しい序盤戦となっているが、元NBA選手のチャニング・フライはその中でもシモンズに厳しい評価を下している。

 昨季プレーオフ1回戦でボストン・セルティックスに4連敗とスウィープ負けを喫したネッツは、日本人選手の渡邊雄太が加入したこともあり、注目を集めるチームのひとつだった。しかし、10月24日のメンフィス・グリズリーズ戦からまさかの4連敗。チームは就任3年目のナッシュHCを解任する決断に至った。

 デュラントがリーグ4位の平均32.0点、アービングが同26.9点を記録しながら、チームの平均得点はリーグ14位(113.8点)。4日のワシントン・ウィザーズ戦こそ128−86で大勝したが、失点も21位(115.1点)と序盤戦の不振は数字にも表われている。
  2016年にクリーブランド・キャバリアーズでリーグ優勝を経験している元NBA選手のフライはポッドキャスト番組『Road Trippin'』で、「シモンズはスコア(得点)や勝利に値すると感じるようなプレーをしていない。義務だからそこ(コート上)にいるだけって感じだ。選手がこれほど怯えてプレーするのを見ることは滅多にない。人々がどう思うか心配だ」と、シモンズについて言及した。

 昨季途中にジェームズ・ハーデンとのトレードでフィラデルフィア・76ersから加入したシモンズは、メンタルヘルスや腰のケガで全休する形となったが、所属2年目を迎えた今季は開幕から6試合に先発出場。平均31.8分の出場でリーグ12位の7.3アシストを記録している一方で、平均6.2点、フィールドゴール(FG)成功率44.1%、フリースロー成功率46.7%にとどまっている。

 特にFGの平均試投数は5.7本とキャリア平均(11.5本)の半分以下。また、開幕戦(対ニューオリンズ・ペリカンズ)、前述のグリズリーズ戦ではファウルアウトを喫するなど、かつての輝きを見せられていない。

 アービングは「メディアはベンのことをよく聞いてくるけど、彼は約2年間プレーしていない。チャンスを与えてやってくれ」とシモンズを擁護したが、フライが指摘したのはシモンズの積極性のなさだ。「(10月27日の)マブズ戦は37分間で7得点。フィールドゴールは7本中3本で、そのほかに8リバウンド、5アシスト、3スティール。ニック・クラクストンは29分間で7得点、6リバウンド。ほとんど同じような内容だ。

 シモンズはKD(デュラント)、カイリー(アービング)に次ぐ第3のオプションだが、リム(ゴール)すら見ていない。自分がベストの状態だということに自信がなく、標準値に達していない。それが現実だ。できる限りハードにプレーし、ほかのほとんどの選手が持っていない才能を受け入れてほしい」
 「負けたらどうしよう、いいプレーをしていないように見えたらどうしよう。そんな風に私には見える。エリートになるためには、すべてのゲーム、すべてのシュート、すべてのポゼッションに真摯に、熱く臨む必要がある」

 シモンズがミドルやロングレンジのシュートが苦手なのは周知の事実だが、フライが言うように、何より大事なのは自信を持ってプレーすること。平均トリプルダブルも狙えるポテンシャルを持つ元オールスターは、この先本来の実力を発揮できるのか。デュラントやアービング以上に、チームの浮沈のカギを握る存在かもしれない。

構成●ダンクシュート編集部