激闘が繰り広げられたワールドシリーズは、ヒューストン・アストロズがフィラデルフィア・フィリーズを撃破。名将ダスティー・ベイカーに率いられたチームは見事に5年ぶりの世界一に。これによってメジャーリーグの2022年シーズンは幕切れとなった。

 もっとも、各球団の首脳陣にはすぐさま来季に向けた戦いが待ち受けている。例年熾烈を極める「ストーブリーグ」の幕開けだ。現地時間11月6日にはメジャーリーグ選手会が今オフにフリーエージェント(FA)となった131名を発表した。

 今冬もメジャーのFAリストは大物揃いだ。今季にアメリカン・リーグ新記録となる62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)を筆頭に、球界屈指の剛腕ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)や大型契約を狙う遊撃手のカルロス・コレアなどチームに大きな影響をもたらすタレントたちが名を連ねている。

 一方で日本球界にとっても見逃せない選手たちもリストには記名された。テキサス・レンジャーズ傘下3Aのラウンドロックに所属していた有原航平である。
  2020年オフにポスティングシステムを利用して日本ハムからレンジャーズ入りを果たした右腕だったが、そのキャリアは困難を極めた。1年目の5月に右肩の動脈瘤の手術を受けて長期離脱を余儀なくされると9月にDFAとなってマイナー所属に。今季は8月21日のミネソタ・ツインズ戦で、489日ぶりとなるメジャーでの白星を挙げたが、1勝3敗、防御率9.45、WHIP2.35と思うように成績を伸ばせず……。結局、9月にメジャー出場前提となる40人枠から外れる憂き目に遭った。

 30歳と決して若くはない有原。それだけに現地メディアのFA動向への見立てもシビアだ。米誌『Sports Illustrated』は、「レンジャーズからFAとなった選手たちに驚きはない」と紹介。さらにレンジャーズ専門メディア『Lone Star Ball』は「再建中の球団に、故障からのプロセスを踏んでいるなかでどん底にある投手はやはり起用し難い」と分析。そして、こう持論を展開した。

「2021年シーズンの前にレンジャーズがアリハラに賭けたことは決して無茶ではなかった。彼が計算できる先発投手になる可能性は低いと思われたが、低コストで、低リスクのギャンブルだったからだ。しかし、2022年も彼に無理を強いたのは組織の失敗を露見するものであった。レンジャーズがシーズン最後の2か月でアリハラに頼らざるを得なかったという事実は、より良い選択肢として頼れる投手をろくに持たなかったことの証である」

 今回のFAで有原はNPB球団との交渉も可能になる。一部で約2年ぶりの日本球界復帰が囁かれている左腕は、はたしてどのような決断を下すだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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