ワールドシリーズが終わってストーブリーグに突入したメジャーリーグ。アーロン・ジャッジをはじめ大物FA選手の去就が注目される中、トレード戦線で熱視線を浴びているのが大谷翔平(エンジェルス)だ。

 昨夏にも放出の噂が報じられた天才を巡っては複数球団が触手を伸ばしているが、現地時間11月7日に取材に応じたエンジェルスのペリー・ミナシアンGMは「オオタニは特別な選手だ。放出することはない。開幕戦は我々と一緒だ。もう一度言うが、彼が大好きだ。我々の目標はオオタニを長期保有することだ」として、今オフの放出を否定するとともに延長契約に向けて動き出す意志を明確にした。

 昨年ア・リーグMVPに満票で選ばれた大谷は、今季も投打二刀流で大活躍。メジャー史上初となる規定投球回&規定打席のダブルクリアを成し遂げ、打ってはリーグ4位の34本塁打&6位のOPS.875、投げても4位の15勝&防御率2.33、3位の219奪三振という衝撃的な数字を残した。

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 それだけにプレーオフ進出を目指すメッツなどが獲得に動き出しているわけだが、GMは夏に続いてオフにも放出しない方針を打ち出している。もっとも、この決断に対して懐疑的な声も少なくない。米国最大手スポーツメディア『The Athletic』はGMの発言を受けて「エンジェルスはオフにショウヘイ・オオタニをトレードしないだろう」と題した記事を寄稿。その中で“知っとくべきこと”として以下を述べた。

 まず、大谷が2023年オフにFAとなり、8年連続で勝率5割を下回るチームに対して少なくない不満を覚えていること。そしてFAになれば、大谷が歴代最高契約を手にする可能性が高いことに言及した。その上で、エンジェルスの判断に疑問を投げかけている。

「もしオオタニが延長契約に合意せず、来年夏のトレードもまとめられなければ、エンジェルスはオオタニをタダで出て行かれる危険性がある」

 厳密に言えば、大谷が23年オフのFA市場に出ることになっても、エンジェルスがクオリファイング・オファーという残留申請を提示すれば、翌年のドラフト指名権などの補償が手に入るという点は留意したい。しかし、同メディアが指摘するように、現在の大谷の価値は計り知れないレベルにある。ひとたびトレード戦線に出せば、トップクラスの有望株を複数人もたらすことが可能になる。

 ただ、大谷を保有できる期間は基本的にあと1年。FAまでのタイムリミットが近づけば近づくほど、その価値は下がっていき、トレードに出すとしたら早い方がいいのは間違いない。特に、MLB.comが発表したファーム組織ランキングで全30球団中ワーストに位置づけられているエンジェルスであれば、なおさらそうだ。

 球団売却報道が出ているエンジェルスは、大谷の去就を含めて大きな岐路を迎えている。さまざまな決断が、今後のチームの行く末を決めることになるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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