現地時間11月11日、ボストン・セルティックスはホームのTDガーデンでデンバー・ナゲッツを131−112で撃破。現在リーグ最長の5連勝とし、今季戦績を9勝3敗(勝率75.0%)とした。

 この試合ではジェイソン・テイタムがゲームハイの34得点に8リバウンド、5アシスト、ジェイレン・ブラウンが25得点、8リバウンド、8アシスト、アル・ホーフォードが21得点、7リバウンド、グラント・ウィリアムズが13得点、4アシストを記録。

 先発ポイントガード(PG)のマーカス・スマートはファウルトラブルもあってプレータイムが限定され、24分間で4得点、4アシストに終わるも、出場時間帯における得失点差で両チーム最多の+28と、さすがの存在感を見せつけた。

 2014年のドラフト1巡目6位でセルティックスから指名されたスマートは、チームで最も在籍期間が長く、昨季までの8シーズンすべてでプレーオフに出場。

 190cm・99kgの筋骨隆々の肉体派ガードは、あふれんばかりの闘争心と機敏なフットワーク、持ち前のパワーを駆使した優れたディフェンス力を持ち、これまでオールディフェンシブ1stチームに3度選ばれたほか、史上初となる2度のハッスルアウォード、そして昨季は最優秀守備選手賞にも選ばれている。
  そんなスマートが“兄貴”として慕っているのが、アイザイア・トーマスだ。14−15シーズン途中にフェニックス・サンズからトレードでセルティックスへ加入したトーマスは、シックスマンとして得点源の一角を務め、15年のプレーオフ進出に貢献した。

 すると15−16、16−17シーズンには先発としてセルティックスのトップスコアラーとなった。2年連続でオールスターへ選出されるなど全盛期をボストンで過ごしたトーマスだが、17年の夏にカイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)を絡めたトレードでクリーブランド・キャバリアーズへ移籍した。

 現在、トーマスは無所属で、10日にスマートのチャリティイベント“Bowling Bash”へサプライズ登場。両者は満面の笑みでハグをし、スマートは喜びのあまり声が裏返ってしまうほど興奮を隠しきれなかった。

 スマートはセルティックスで2シーズン半を共闘してきたトーマスへの思いを記者へ次のように語っていた。

「(彼と会えて)すごく嬉しい。俺とI.T.(トーマス)はここで一緒にいたし、何年か(対戦相手としても)戦ってきた。俺たちの関係はコート上だけじゃないんだ。俺は彼のことを兄貴として見てきたし、彼が退団してからも連絡を取り合ってきた。今でも絶えず繋がっているんだ」 キャリア初期のスマートは得点力が不足していた。だが当時からディフェンス力は非凡で、ブラッド・スティーブンスHC(ヘッドコーチ/現セルティックスGM)からも高く評価されており、ベンチスタートながら勝負所のディフェンス時に起用されてきた。

 一方のトーマスはリーグ有数の得点力を持ちながら、175㎝・83㎏というサイズによってディフェンス面で相手チームの標的となってきたため、両選手はコート上で互いの弱点を補完してきた。

 昨季のセルティックスはNBAファイナルまで駒を進めたが、ゴールデンステイト・ウォリアーズの前に2勝4敗で敗れて優勝を逃した。今季はファイナルへ舞い戻り、昨季のリベンジ、そして球団史上18度目のチャンピオンを目指して戦っている。
 「彼が来てくれるなんて思いもしなかったから、会えて良かった。ここに来て時間を共にしてくれたことにものすごく感謝している」と語っていたスマートにとって、トーマスと過ごした日々はNBAキャリアの原点でもある。

 レギュラーシーズンはまだ始まったばかりだが、トーマスのサプライズ凱旋はスマートにとって大きなモチベーションとなっただろう。

文●秋山裕之(フリーライター)