F1第21戦のブラジル・グランプリは11月13日に決勝が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は唯一の周回遅れで、完走17台の中で最下位に終わった。

 予選Q1敗退(19番手)からスプリントで15番手までスターティンググリッドを上げた角田だったが、今週末の彼を苦しめ続けているグリップ不足への対処のため、前後のウイングとフロアの交換を敢行して、ピットレーンからスタートすることになった。

【動画】メルセデスがワンツーフィニッシュ! ラッセルがブラジルGPでF1初優勝 しかし、状況は変わらないまま下位を走行し続け、周回遅れの状態で55周にセーフティーカー(SC)が出動すると3度目のタイヤ交換。しかし、ピットレーン走行中に首位ジョージ・ラッセル(メルセデス)の前に出たことで同一周回と捉えられた結果、コース復帰後にSCを抜くことが許されず、戦わずして最後尾に落ち、レース再開後はラインを外して上位勢を前に行かせることを強いられて、大きく他車から引き離されることとなった。

 週末を通しての問題は解決されず、納得のいかない思わぬ不運によって最後尾でのフィニッシュを余儀なくされたレースの後、角田はチームの公式サイトを通して、「レース前のウイング交換などで少しは車が良くなったものの、依然として快適ではなく、ペースがありませんでした」と振り返り、SCの一件などについても言及している。

「通常、SC出動時にはアンラップ(周回遅れがSCを追い抜いて隊列の後ろにつくこと)ができるものですが、今日はそのままの位置にステイするよう言われ、結果、ポジションを上げるチャンスがないまま、周回遅れで1日を終えることになりました。今週末は、とても難しいものになりました。我々は、来週のアブダビでのレースに向けて、今回これほど苦労することになった原因を調査する必要があります」

 また、レース後のF1公式サイト『F1.com』のインタビューでは、SC出動時でアンラップが許されなかったことについて「SCがグリーンライトを点灯しており、周回遅れの車は追い抜くことができたはずですが、なぜか僕は許可されませんでした。僕はFIAにいじめられました」と告白。一方で、タフな週末だったことを認めながらも、「それでも、スピードなどに関しては、幾つかポジティブなことはありました」とも語っており、最終戦に向けて前向きな姿勢は失っていないようだ。
  アルファタウリは、ピエール・ガスリーも14位に終わったことで、SNSでは「ブラジルでのタフな1日」「ポイントを争うためにはペースが足りなかった」と投稿。そして、チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルスは、以下のように角田のレースについてコメントを残している。
 「ユウキは週末全般で、車から競争力のあるタイムを引き出すのに苦しんでいたので、セットアップを変更し、ピットレーンからスタートするという難しい決断を下した。これによりフィーリングは改善されたが、順位を上げてポイントを獲得するには十分ではなかった。理由を明確にする必要があるが、彼はアンラップが許されなかったことで、ラップダウンし、全車に対してブルーフラッグを受けることになり、17位でフィニッシュすることとなった」

 SC出動時の一件については、海外の多くのメディアも報道しており、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、タイミングシステムの判断によって起こったこの事象を「奇妙な状況」と表現し、オランダのF1専門サイト『GP FANS』は、同じ周回遅れだったウィリアムズの2台のアンラップが認められ、角田だけ許されなかったことで、彼のコメントを引用し、「ブラジルで唯一周回遅れとなった日本人ドライバーは、SC出動中にアンラップが許されなかったことで、FIAにいじめられたと感じている」と報じた。

 なお、『THE RACE』は角田にとっての今GPを「彼にとっては本当にうまくいかなかった週末」と総括。イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は「ユウキの問題は続く。今週末、日本人ドライバーに平穏な時は訪れなかったようだ。セットアップの変更とピットレーンからのスタートでも、パフォーマンスの改善には不十分であり、SC出動時の奇妙な判定もあって、最後尾でレースを終えることとなった」と綴っている。

構成●THE DIGEST編集部
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