2022年のF1最終戦となるアブダビ・グランプリが開幕、11月18日には2度のフリー走行(FP)が行なわれた。

 先週のサンパウロGPでは終始グリップ不足に苦しんだアルファタウリの角田裕毅は、FP1で28周を走行して、ベストタイムは全体13番手となる1分27秒991。続いてFP2では、30周回を重ねて1分26秒680という15番手のタイムを計測した。
  初日を終えた後、彼はチームの公式サイトを通して、「FP1では、バランスにかなり苦労しました。多くの若いドライバー(リザーブドライバーら)がコース上にいたため、少し珍しいセッションになりました。13番手という結果はシート上ではそれほど良く見えませんでしたが、通常のセッションよりもタイムシートでは高くなりました」と最初のセッションを振り返り、以下のように続けている。

「FP2ではバランスが良くなったと感じたし、車の中でより快適でしたが、まだまだパフォーマンスが不足しています。今週末にポイントを獲得できるようにするには、今夜はやるべきことがたくさんありますが、まだ別のセッション(FP3)も残っています。予選に向けて調整を試みますが、今日のロングランのペースは良かったので、レース中により力強くなれればと思います」

 アルファタウリのチーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルスは、「2台の車はFP1で異なるバランスの問題を抱えており、ピエール(・ガスリー)はリア、ユウキはフロントに苦しんでいたため、FP2では2台とも中間にバランスを移行した。ユウキにとってはクリアなセッションとなったが、それでもソフトタイヤでのバランスはまだ完全ではなかった」と回想。路面温度の低さのわりにタイヤの劣化が酷かったことも明かし、再検討が必要であるとした。

 また初日のセッションでは、来季に向けての空力面のテストも行なわれたということで、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「アルファタウリは今予選だけでなく、2023年を見据えて、アブダビでも動いている。今季の技術革命の下で昨季の優れた結果を再現できなかったファエンツァのチームは、すでに角田とニック・デ・フリースのための車の開発を始めている」と報じている。
  初日の角田について同メディアは、「角田はFP2で15番手と、今週末がアルファタウリ・カラーで走るのが最後となるチームメイト(19番手)を上回った。そして、日本人ドライバーの車(のHalo)には『ありがとう、ピエール(GRAZIE PIERRE)』の文字が――」と綴り、最後の共闘となるガスリーにも言及した。

 角田にとってアブダビGPはエモーショナルなものであると同時に、苦しかった1年の終わりのレースともなるが、今GP前に行なわれた合同会見では、「今季はずっと浮き沈みが続いていたので、昨季(4位フィニッシュ)のように良いレースで終われればと思いますが、まあどうなるか見てみましょう」と語った彼は、このF1での2年間での自身の進化ぶりについてもコメントを残している(『F1.com』より)。
 「フィジカル面、メンタル面、そしてドライビングと、全体的にかなり満足しています。今は、レースウィークの、特に木曜、金曜日にリラックスできています。昨季は特に、アプローチの方法が分からず、ずっとストレスを感じていました。常に急いており、それで少しストレスや苛立ちに繋がるなど、自分で状況を難しくしていました」

「今はリラックスできており、どんな状況にも適応できるようになりました。だから、自信を持てるようになったし、予期しないことが起こっても、それを処理する術が身についています。全体的に、今季はレースごとに進歩できたことに、とても満足しています。そして、うまくいけば、来季もこの勢いを維持、あるいはそれ以上のものを得られると思います」

 年末年始の過ごし方を訊かれ、「日本には戻りますが、おそらく昨年と同じぐらい短い期間になると思います。そして欧州に戻り、昨年同様にトレーニングに励みます。休暇に長く時間を費やすつもりはありません。さもないと、本当に太ってしまうので」と回答した彼だが、この会見ではルイス・ハミルトンが先日、自身のSNSに角田の幼少期の写真を投稿した件が質問に上がり、話題となっている。
  ハミルトンは「理由はよく憶えていないが、本当に面白い写真だと思ったので」「時の流れを考えると、とても興味深い写真だ。我々はとても長い間、ここ(F1)にいるんだな、と」とコメント。そして、「今、何歳?」(ハミルトン)、「22歳」(角田)、「本当に?」(ハミルトン)「分からない。自分でも疑問に思うことがある」(角田)という、15歳差の2人の微笑ましいやりとりが展開された。
  また、ベテランドライバーといえば、今季限りで現役を退く35歳のセバスティアン・ヴェッテルを慰労する食事会が、全ドライバーが参加して先日行なわれたことを、角田がSNSで明かし、「全てのドライバーとともに、セブのラストレースを祝った素晴らしい晩でした」と投稿している。

 また、英国のF1専門サイト『planetf1』に、「今まで経験したことのない特別なディナーで、とても楽しく、ドライバー一人ひとりをより深く理解することができ、魔法のようなディナーでした」と語り、「来季、セブがグリッドにいないのは間違いなく悲しい」と、偉大な先達の引退を惜しんだ。

構成●THE DIGEST編集部

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