個人タイトルの対象ではなくとも、選手の凄みが詰まった部門のベスト3を紹介する。今回はセ・リーグの投手編だ。(※率系部門は先発で110投球回以上19人、救援が40投球回以上28人を対象)

■奪三振率(奪三振×9÷投球回)
【先発】
1.高橋宏斗(中日) 10.34
2.小笠原慎之介    (中日) 8.71
3.今永昇太(DeNA) 8.27
【救援】
1.栗林良吏(広島) 10.99
2.湯浅京己(阪神) 10.40
3.マルティネス(中日) 10.02

 一軍デビューを果たした高橋が先発1位と大器のポテンシャルを示した。規定投球回未満ながらリーグ3位の134三振を奪い、1試合最多12個を筆頭に2ケタKが4試合。2位の小笠原は昨季とほぼ同じ投球回で奪三振率を7.22→8.71と上昇させ、先発投手としてレベルアップに成功。

 また、栗林は昨季の13.93からダウンしたが救援1位を維持。タイトルホルダーの湯浅とマルティネスが2、3位に入った。ちなみに救援最多奪三振はDeNAの伊勢大夢と入江大生が記録した69個だ。

■与四球率(与四球×9÷投球回)
【先発】
1.伊藤将司(阪神) 1.45
2.西勇輝(阪神) 1.58
3.菅野智之(巨人) 1.59
【救援】
1.浜地真澄(阪神) 0.95
2.山﨑康晃(DeNA) 1.49
3.岩崎優(阪神) 1.64

 先発、救援とも阪神勢がトップ3のうち2人を占める結果となった。先発1位の伊藤は全20先発すべて3与四球以下に抑えて、西も23先発中22試合は同じく3与四球以下だった。「勝利の方程式」に定着した浜地は、開幕から6月26日に申告敬遠を記録するまで24登板連続与四球なしと驚異的な投球を続けた。
 ■K/BB(奪三振÷与四球)
【先発】
1.今永昇太(DeNA) 4.55
2.伊藤将司(阪神) 4.18
3.青柳晃洋(阪神) 4.13
【救援】
1.浜地真澄(阪神) 7.60
2.湯浅京己(阪神) 5.58
3.マルティネス(中日) 5.17

 6月にノーヒットノーランを達成した今永は、シーズンを通しても投球の質を高く保った。近年は与四球の割合を減らしてK/BBが向上し、成熟ぶりが数字にも表れている。個人タイトルを3つ手にした青柳は2.17→4.13と投球内容を大きくアップグレードさせた。救援では阪神の7、8回を担ったセットアップ役の浜地と湯浅がランクイン。安定感抜群の投球で勝利のリレーを演じた。

■QS率(QS÷先発数)
1.戸郷翔征(巨人) 80.0%
2.西勇輝(阪神) 78.3%
3.床田寛樹(広島) 76.5%

 先発で6イニング以上を投げて自責点3以内に収めた回数を表すQSで、リーグ最多の20回を記録した戸郷がQS率でも1位に立った。西は回数でも2位(18)だったが、わずか9勝とツキなし。対照的に原樹理(ヤクルト)はQS7回よりも多い8勝を挙げた。ちなみに、7イニング以上&自責点2以下のHQSでは、今永昇太(DeNA)がリーグベストの52.4%をマークしている。■被OPS(出塁率+長打率)
【先発】
1.青柳晃洋(阪神) .553
2.今永昇太(DeNA) .577
3.大野雄大(中日) .579
【救援】
1.栗林良吏(広島) .383
2.マルティネス(中日) .420
3.清水昇(ヤクルト) .436

 青柳は被長打率.289だけでなく被本塁打率0.39もリーグベストと、長打を浴びない投球が光った。今永は被出塁率.249とともにWHIP0.94が先発リーグ1位。救援では、昨年2位だった栗林が1位へ。被本塁打なし、2年連続救援ベストの被長打率.170に加え、制球力も改善されるなど2年目のジンクスを感じさせなかった。リーグ最多の18本塁打を浴びた大瀬良大地(広島)は、被OPSも.774でワーストに沈んだ。
 ■被打率
【先発】
1.高橋宏斗(中日) .193
2.今永昇太(DeNA) .204
3.青柳晃洋(阪神) .215
【救援】
1.栗林良吏(広島) .133
2.清水昇(ヤクルト) .151
3.山﨑康晃(DeNA) .154
 
 ここでも髙橋の傑出ぶりが明らかに。7月19日の広島戦で8回1死までノーヒットノーランの快投を演じるなど、7投球回以上で被安打1に抑えた登板が3試合もあった。左腕の今永は例年と同じく、対右より左打者の被打率(.186/.228)が高い。救援1位の栗林は48登板のうち33試合が被安打なしで、複数安打を浴びたのは6試合しかない。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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