個人タイトルの対象ではなくとも、選手個人の凄みが詰まった部門のベスト3を紹介する。今回はパ・リーグ野手編だ。(※率系部門は規定打席以上の21人を対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.吉田正尚(オリックス) 1.008
2.山川穂高(西武) .953
3.松本剛(日本ハム) .826

 総合的な打力を測る指標でタイトルホルダー3人が三傑入り。吉田は昨季に続く首位打者こそ逃したが、2年連続で出塁率(.447)とOPSでトップに立った。3年ぶりの本塁打王に返り咲いた山川は初の打点王も獲得し、長打率.578も1位。一方、紅林弘太郎(オリックス)は2年続けてリーグワーストのOPS.593と苦しんだ。

■四球率(四球÷打席)
1.吉田正尚(オリックス) 15.7%
2.西川遥輝(楽天) 15.1%
3.浅村栄斗(楽天) 14.5%

 吉田はリーグ最多の18敬遠と相手からの警戒度も高く、80四球と四球率でキャリアハイを残した。新天地へ移った西川は打率.218がリーグワースト3位ながら、出塁率.342は11位でリードオフマンではベストの数値。浅村は昨季に続いてリーグ最多の92四球を選んだ。規定打席に届かなかったが、近藤健介(日本ハム)は吉田を上回る四球率16.7%を記録している

■三振率(三振÷打席)
1.吉田正尚(オリックス) 8.1%
2.松本剛(日本ハム) 9.4%
3.福田周平(オリックス) 10.0%

 3年連続で1位の吉田は、リーグベストのOPSを記録した一方で1試合3三振はチームが佐々木朗希(ロッテ)に完全試合を食らった4月10日の一度だけ、2三振も3試合あっただけだった。首位打者に輝くなど大ブレイクを果たした松本は三振率2位。2ストライク後でも打率.292と追い込まれても巧打を発揮した。ちなみにリーグワーストはオグレディ(西武)の27.7%。
 ■BB/K(四球÷三振)
1.吉田正尚(オリックス) 1.95
2.中村奨吾(ロッテ) 0.81
3.島内宏明(楽天) 0.77

 四球率と三振率でリーグベストの吉田が、打撃の完成度を測るこの指標でも当然1位。他に三振を上回る四球を記録した打者が皆無な状況で、例年どおり一人異次元の数値を記録して3年連続トップに立った。規定未満では荻野貴司(ロッテ)は四球と三振の数が30で同じ。一軍でも潜在能力の高さは披露した万波中正(日本ハム)だが、次なるステップアップにはBB/K0.11の改善がカギを握りそうだ。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.山川穂高(西武) 10.9
2.柳田悠岐(ソフトバンク) 18.2
3.吉田正尚(オリックス) 19.6

 リーグ全体では本塁打数が減少したが、山川はどこ吹く風。2位の柳田に大差をつけてトップに立った。柳田と吉田はリーグ優勝争いが熾烈になった9月以降は11.5/11.0打数に1本塁打と量産モードで勢い付けた。助っ人が力を発揮し切れないシーズンに野村勇(ソフトバンク)が18.0、山口航輝(ロッテ)が20.1、頓宮裕真(オリックス)が21.3と和製大砲候補がパワーをアピール。

■得点圏打率
1.松本剛(日本ハム) .419
2.吉田正尚(オリックス) .367
3.今宮健太(ソフトバンク) .337

 首位打者に輝いた松本は得点圏打率.419、OPS1.077と勝負強さも抜群だった。吉田は昨年の1位から陥落したものの打率.367、BB/Kは5.00と驚愕の数値。3位の今宮は特に満塁で強く、リーグ最高打率.545と奮った。山口航輝(ロッテ)は16本塁打のうち実に9本を得点圏で放った。■内野安打
1.髙部瑛斗(ロッテ) 28本
2.福田周平(オリックス) 21本
2.牧原大成(ソフトバンク) 21本

 髙部は盗塁王にも輝くなど、持ち前のスピードを存分に発揮。福田は9月30日の本拠地最終戦でセーフティスクイズを決め、サヨナラ勝ちをもぎ取った。ソフトバンクは三森大貴が内野安打19本でリーグ4位、周東佑京が15本で6位と足を使える選手が奮起。過去2年連続最多の源田壮亮(西武)は14本で7位タイに順位を落とした。右打者では松本剛(日本ハム)含む4人の13本が最多。

■盗塁成功率
1.岡大海(ロッテ) 100.0%
2.三森大貴(ソフトバンク) 87.0%
3.周東佑京(ソフトバンク) 84.6%
3.中川圭太(オリックス) 84.6%
※10盗塁以上

 岡は12盗塁で失敗なし。成功率91.7%で2位だった昨季からトップに上り詰めた。同じロッテの藤原恭大も9盗塁で失敗ゼロ、盗塁王の髙部瑛斗も成功率81.5%の高率で機動力を発揮。ただし、スペシャリストの和田康士朗は昨季から82.8%→61.1%と対象者ワーストの数字まで落とし、数も24→11と半減した。
 ■補殺(外野手)
1.西川遥輝(楽天) 10
2.髙部瑛斗(ロッテ) 9
3.岡島豪郎(楽天) 8

 新天地へ移った西川は好守で躍動。10捕殺はすべて前半戦に記録し、わずか2個の昨季から大きく数を増やした。今季ブレイクした髙部は俊足も生かして相手走者の進塁を防ぎ、ゴールデン・グラブ賞を獲得。岡島はわずか52試合でリーグ3位の8捕殺を記録した。昨季1位の杉本裕太郎(オリックス)は2個のみ。    

■盗塁阻止率(捕手)
1.佐藤都志也(ロッテ) .361
2.甲斐拓也(ソフトバンク) .343
3.炭谷銀仁朗(楽天) .339

 昨季は外野出場も経験した佐藤が.208から大きく上昇させて1位に。対照的に、甲斐は1割以上も数字を落としてトップから陥落した。3位の炭谷は昨季38回走られて4度しか刺せなかった(盗塁阻止率.105)が、見事に巻き返し。年齢離れした守備力で評価を集めた松川虎生(ロッテ)だが、阻止率はリーグワーストの.237と課題を残した。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。