稀代のクラッキが見せた“仕掛け”は、いまだ賛否両論を巻き起こしている。現地時間11月24日に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループH第1節のガーナ戦で、ポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウドが奪った得点シーンである。

 攻めるポルトガルと守るガーナ。そんな構図で進んだ試合の均衡を破ったのが、C・ロナウドだった。スコアレスで進んだ64分にペナルティーエリア内で斜めに動きながらファウルを誘発。ここでもぎ取ったPKを危なげなく沈めたのだ。

 結局、大黒柱の得点が呼び水となってポルトガルは3-2で勝利した。だが、C・ロナウドのPK獲得シーンは、試合後に波紋を呼んだ。競り合った相手DFモハメド・サリスとの接触が「シミュレーションだったのではないか」「なぜVARのチェックを主審がしなかったんだ」という指摘が相次いだのだ。敵将のオットー・アッドは試合後に「全く理解できない。ロナウドだからか?」と怒りを露わにしたほどだった。

 噴出した意見の大半が、C・ロナウドのシミュレーションを指摘するものだった。そうしたなかで、稀代の点取り屋が持つ技術力の高さを指摘する識者もいる。元ナイジェリア代表MFのサンデー・オリセー氏だ。
  1998年のフランスW杯で精鋭揃いだった母国代表を支えたひとりであるオリセー氏。現在はアーセン・ヴェンゲル氏(元アーセナル監督)らとともに、FIFAの技術委員会に属している往年の名手は、英公共放送『BBC』の取材で物議を醸したC・ロナウドのプレーに、「あれはストライカーとしての賢さって言えるんじゃないか?」と持論を述べている。

「あのPKはどうとでも言える。それぐらい際どいシーンだった。ただ、あの一瞬の隙をついてボールに触れ、そのまま脚を伸ばして、相手からの接触を取った彼の頭のクレバーさには驚いた。あれは完全に天才のなせる業だ。私はVARが機能し始めた時代でストライカーが賢くなったことを褒めるべきだと思う」

 チームの初戦で、いきなり存在感を発揮したC・ロナウド。スーパースターたる所以を示した37歳の点取り屋は、現地時間11月28日のウルグアイ戦でも輝きを放つだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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