現地時間11月25日、ミルウォーキー・バックスがホームのファイサーブ・フォーラムでクリーブランド・キャバリアーズと対戦し、117−102で快勝。バックスは16日の試合でも113−98でキャブズを下しており、同地区ライバルとの今季対戦成績を2勝0敗とした。

 バックスの大黒柱ヤニス・アデトクンボは、16日の第1ラウンドこそ今季最小となる16得点に12リバウンド、8アシストに終わったものの、25日の試合ではペイントエリアをこじ開けて豪快なダンクを連発。終わってみれば両軍最多の38得点に9リバウンド、6アシスト、2ブロックと、攻守両面でゲームを支配した。

 そのほか、ジェボン・カーターが5本の3ポイント成功を含む18得点、2スティール、ボビー・ポーティスが14得点、8リバウンド、4アシスト、ドリュー・ホリデーが9得点、5アシスト、ブルック・ロペスが8得点、6ブロック、グレイソン・アレンが8得点、5リバウンド、5アシスト、2スティールをマークしエースをサポート。
  一方で、第1ラウンドでフィールドゴール成功率64.3%(9/14)の計20得点に7リバウンド、2ブロックを記録していたキャブズのエバン・モーブリーは、この第2ラウンドで沈黙。フィールドゴール成功率16.7%(2/12)とショットが乱調で、わずか8得点、8リバウンド、3スティールと不発に終わっていた。

 昨季の新人王投票で、スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)に次いで僅差の2位となったモーブリーは、今季もここまで平均14.5点、8.5リバウンド、2.4アシスト、1.4ブロックにフィールドゴール成功率54.1%と、まずまずの成績を残している。

 そんなモーブリーについて、アデトクンボは試合後に、米紙『cleveland.com』へこのように語っていた。

「彼なら僕よりもいいプレーヤーになれるさ。どうしてできないのか、僕にはわからないね。あとは彼次第なんだ。僕は常に向上しようとしている。毎日ね。けど、彼の持つスキルセットというのは、本当に凄い選手になれるものなんだ。

 彼には7フィート(213cm)の身長があって、本当によく動ける。シュートも打てるし、とてもスマートだ。それに彼は他の選手たちのプレーも見て研究している。それは若い選手たちにとって凄くいいことだ。彼が本気で取り組めば、素晴らしいプレーヤーになれるさ」 213cm・97kgの体格を誇るモーブリーは、7フッター離れしたスムースな動きができ、さらには攻守両面で効果的なプレーができるスキルセットも兼備。すでにダリアス・ガーランド、ジャレット・アレン、ドノバン・ミッチェルというオールスタートリオが在籍するキャブズにおいて、キャリア2年目ながら主力の一角を務めている。

 だがこの試合ではレイアップやアリウープをアデトクンボにブロックされ、制限区域内のショットもバックスの高い壁の前にミス。ディフェンスではアデトクンボのフェイクに引っかかってノーマークで豪快なダンクを許したり、ユーロステップであっさり突破されるなど“MVPによる洗礼”を受けた。

 とはいえ、18歳でNBAデビューを飾った当時の自分よりも、現在のモーブリーの方がはるかに上だとアデトクンボには映ったのだろう。
  アデトクンボはキャリアを重ねるごとに身体をビルドアップさせつつ、新たなスキルを身につけて自身のゲームを昇華。攻守両面でインパクトを残す選手と化し、NBAでベストプレーヤーの1人という地位を確立した。

「僕自身がそうしてきた。他の選手たちを尊敬しているし、彼らのように自分のゲームを磨こうとしてきた。でも結局のところ、彼らはみんなユニークなんだ。彼らにはそれぞれユニークなゲームが備わっている。だから、できるだけ彼らのゲームを盗みつつ、自分仕様へと応用して、自分ならではのスタイルに仕立て上げるんだ」

 アデトクンボとモーブリー。現時点では、NBAチャンピオンへと導いたリーグ最高級の選手と、才能ある2年目のビッグマンという立ち位置にあり、両選手の実力には大きな開きがあると言わざるを得ない。

 だがアデトクンボは、戦力充実のキャブズで光る才能を見せるモーブリーを、近い将来ライバルになる存在として期待しているようだ。「エバンには輝かしい未来がある。彼が努力を続ければ、本当にいい選手になれるさ。彼は正しいやり方で、しかもハードにプレーしている。あのチームが勝つためになんだってやっているよ。スキルセットが備わっていて、サイズもある。あとはゲームを理解するまで、時間の問題さ。彼には満たされていない思いと(向上してやろうという)ハングリーさが見てとれる」
  アデトクンボ率いるバックスと、モーブリーが所属するキャブズは、12月21日と来年1月21日にキャブズの本拠地ロケットモーゲージ・フィールドハウスで対戦する。

 バックスは14勝5敗(勝率73.7%)でイースタン・カンファレンス2位、キャブズも13勝7敗(勝率65.0%)で同3位と上位にいるため、プレーオフで激突する可能性も大いにある。両チームが誇るパワーフォワードのマッチアップは、これから先も必見だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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