歓喜の最中での何気ない振る舞いによって、アルゼンチンの偉才は思わぬ批判を浴びている。

 日々熱戦が繰り広げられているカタール・ワールドカップ(W杯)での出来事だった。現地時間11月26日に行なわれたグループリーグ(C組)第2戦で、メキシコ代表と対戦したアルゼンチンは2-0で勝利。サウジアラビアとの初戦でよもやの敗戦を喫して打ちひしがれていたチームにとっては、まさに“起死回生”の白星となった。

 試合後、1ゴール・1アシストで殊勲者となったアルゼンチンの大エース、リオネル・メッシはチームメイトと喜びを爆発。「今日が僕らにとっての初戦だ」と語って向かったロッカールームでは、同僚や指揮官とともに、同国ではお馴染みである応援チャント『Muchachos』を熱唱し、踊り周った。

 そんな最中に座席に腰を下ろしたメッシは、スパイクを脱ぎ始める。そして、自身の足元に置いていたメキシコのユニホームを偶然にも踏んでしまう形となったのだが、これに“同国の英雄”が怒った。ボクシングの世界4階級制覇王者である“カネロ”ことサウル・アルバレスが自身のツイッターで「メッシが俺たちのユニホームと国旗で床を拭いているのを見たか? 彼は俺に見つからないように神に祈るべきだな」と脅迫めいたメッセージを投稿したのだ。
  母国が喫した敗戦のショックもあったのかもしれない。カネロは「そもそもメキシコのユニホームを地面に落としている時点で侮辱だ」とも主張。敗者のユニホームを無下に扱った“偉才”を糾弾した。

 もっとも、物議を醸したシーンを見る限り、メッシが故意に敵国のユニホームを雑に扱った感はない。誤解を恐れずに言うならば、「たまたま踏んでしまった」という表現が正しいだろう。

 ゆえにカネロには批判の声も上がった。「カネロが脅迫した」と題した記事を打ったスペイン紙『Marca』は「メッシの無実は明らかだ。そもそも床にユニホームが落ちていたのも、勝利のお祝いに選手たちが陶酔していたためだ」と指摘。さらに米スポーツ専門放送局『ESPN』のメキシコ人ジャーナリスト、デイビット・ファイテルソン氏は「カネロ、君はそれで祖国の守護者となったつもりか? そんなピエロみたいな振る舞いはやめろ。そんな役回りは君に似合わない。君は真面目なボクサーであるべきだ」と指摘した。

 メッシを糾弾したために、“炎上”したカネロ。「俺は国の為なら悪者になってもいい」ともツイートした彼の真意やいかに――。

構成●THE DIGEST編集部

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