ロサンゼルス・レイカーズのラッセル・ウエストブルックは今季、ルーキーイヤー以来のベンチスタートを経験し、現在はシックスマン役が定着。フランチャイズOBで、かつて自身もスーパーサブとして活躍したロバート・オリーは、そんな34歳のベテランに期待を寄せている。

 ダービン・ハム新ヘッドコーチ(HC)を迎えたレイカーズは、開幕5連敗とスタートダッシュに失敗。10月28日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦からウエストブルックがベンチスタートに回ったなか、一時は借金が最大8まで膨らんだが、11月13日のブルックリン・ネッツ戦以降は5勝2敗と復調傾向になる。

 ウエストブルックはここまで17試合(うち先発3回)に出場して、平均15.3点、FG成功率40.3%はいずれもキャリアワーストを更新するペース。

 チーム事情による配置転換とはいえ、かつて平均30得点、10リバウンド、10アシストのシーズントリプルダブルを達成し、年俸4700万ドル(約65億円)の男としては物足りなさが残るのは否めない。

 歴代7位タイの優勝7回を誇る名脇役のオリーは、現役時代レイカーズに6年半在籍し、2000〜02年の3連覇を経験しているフランチャイズOB。米ポッドキャスト番組『The Crossover NBA Show』に出演した際、「ラスをマヌ・ジノビリに見立てることができる」と、08年に最優秀シックスマンに輝いた殿堂入り選手の名前を挙げた。
 「マヌが先発に値する選手なのは誰もが知っているが、チームが必要としていたベンチからのエネルギーをもたらした。ラスがこの状況をベンチへの降格ではなく、チームを助けるためだと見てもらいたい。私もスターター以上に、ベンチスタートの時は第4クォーターにプレーすることにこだわった。そこが勝負所だからね」

 ジノビリと言えば、名将グレッグ・ポポビッチの下、スターターを務められる実力を持ちながらシックスマンとして地位を確立したパイオニア的な存在。アルゼンチン出身の選手らしくテクニックに優れ、股抜きやユーロステップといった妙技で、立ちはだかるディフェンダーをキリキリ舞いさせただけでなく、ティム・ダンカンやトニー・パーカーと“ビッグ3”を形成した16年間のNBAキャリアで、計4回の優勝を果たした。

 数々のスーパースターたちと共闘してきたクラッチシューターのオリーは、ウエストブルックにはスターターにこだわらずにチームに貢献してほしいとの思いがあるようだ。

「ラスがアレン・アイバーソンとは違うと願っている。なぜならラスはまだ優れたプレーヤーで、リーグの90%(の選手が)ができない多くのことをまだできる。『俺はスターターだ』という考え方ではなく、一流のバスケットボール選手だ」

 当然ながらチームの成績も好転しなければ選手の評価は上がらないが、“シックスマン・ラス”は昨季に続いて苦しむ名門の救世主となれるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部