幕を閉じた2022年F1の各ドライバーに対する、各国メディアによる総括が現在行なわれており、アルファタウリの角田裕毅に対しても評価が下されている。

 獲得ポイント12点のドライバーズランキング17位という成績は、昨季(32点・14位)を下回るものであり、当然ながら、この日本人ドライバーに対する評価は厳しいものとなっているが、今季のアルファタウリの車「AT03」が安定感に欠け、ポテンシャルが低かったことに対する“同情”も、彼には寄せられている。
  英国のF1専門サイト『CRASH』は、レース毎に発表していた10点満点の平均点で順位をつけており、角田は及第点をわずかに超える「6.1」で、順位は17位。なお最高点は、安定感とアグレッシブさがうまく融合し、予選(16番手)、スプリント(12位)、決勝(7位)と段階的に調子を上げて今季ベストリザルトを残したエミリア・ロマーニャ・グランプリの「9」、逆に最低点はポイント獲得も可能な位置にいながら、ピットアウト後に無理をしてバリアに突っ込んだシンガポールGPでの「3」だった。

 寸評は、「角田は2022年、着実に成長を果たした。17位という同メディアの順位は、アルファタウリにおける上昇ぶりを考えれば、現実をフェアに反映していないかもしれない。彼は明らかに、このレッドブルの姉妹チームで3年目を迎えるのに値する」と、予想外にポジティブな内容となっている。

 一方、18位とした『planetf1』は対照的な見解を示しており、「2021年のデビューシーズン開幕前のテストで、いきなりタイミングモニターの上位に名を連ねたエキサイティングな若いタレントに、一体何が起きたのだろうか?」と綴って、角田が期待に応えられていないと指摘し、さらに以下のように続けた。

「(レッドブル顧問の)ヘルムート・マルコは、日本人ドライバーが認識できるほどの進歩を遂げられず、また回避が可能だったはずの幾つかの処分やペナルティーポイントを科せられたことで、1年間辛抱を強いられた。アルファタウリの車が貧弱なものだったのは明らかだが、レッドブルが角田を同グループの“ベルトコンベアー”から降ろし、2023年に向けて代わりの人材を準備する可能性もあった」
 『TOTAL MOTORSPORT』は10点満点の採点で、18番目となる「4.5」。「より良い面も見せたが、一方で彼は非常に馬鹿げたミスも多く犯してしまった。カナダでのピットアウト後のクラッシュ、シルバーストーンでのピエール・ガスリーとの同士討ち、予選での幾つかミスは、彼の進歩を妨げ、シーズンに悪影響を及ぼした」と、厳しい指摘があった一方で、来季に向けての期待も寄せられている。

「純粋なペースということでは、この22歳は高いレベルに達しており、F1での3シーズンを迎えるための権利を手にしている。彼が2023年、今季の間違いを正し、新たなチームメイトとなるニック・デ・フリースを上回ることができれば、我々は飛躍する角田の姿を見ることができるかもしれない」
  ちなみに、アルファタウリのチーフ・レースエンジニアであるジョナサン・エッドルスは、ドイツのモータースポーツ専門サイト『Auto Motor und Sport』に対し、来季の車「AT04」の製作においては、パーツ関してレッドブルへの依存率を下げることを明かした。内製率を高めるのは、外部からの購入によって車の開発が遅くなることや空力面での問題を防ぐためであるという。

 このことに対し、『planetf1』は「自製のパーツを搭載することが、アルファタウリに利益をもたらすかはまだ分からない」と記述。車の開発には、フィードバックなどドライバーの果たす役割は大きいが、このイタリア・ファエンツァのチームからは経験豊富で今季まで重要な仕事を果たしていたガスリーが去り、代わりがF1ルーキーのデ・フリースということで不安は少なくない。

 ガスリー離脱で、チームとしての力が落ちることが懸念され、同メディアからも「より良い1年をチームは願っているものの、実際はより難しい状況になっているのかもしれない」と指摘されたアルファタウリ。そんな中で、最高峰レースで2年間の経験を積み、ファクトリーでチームスタッフとのコミュニケーションを深めてきた角田が、ガスリーの穴を埋める仕事を果たせるかが注目される。もしこの点で彼がリーダーシップを発揮できない場合、チームは再び厳しい1年を過ごすことになるのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
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