現地時間12月26日、カタール・ワールドカップで3得点と活躍したオランダ代表FWのコディ・ガクポがPSVからイングランド・プレミアリーグのリバプールに移籍すると発表された。

 マンチェスター・ユナイテッドとの争奪戦に競り勝ち、5000万ユーロ(約71億円)といわれる移籍金で23歳の逸材を手にした“レッズ”。今季のプレミアリーグでは15節終了時点で4敗を喫し、順位も6位と停滞気味。それだけに今冬の補強が巻き返しの原動力となるかが興味深い。

 そのガクポについては、どの背番号をつけるかも注目されており、複数の地元メディアがこれに言及。日刊紙『EXPRESS』は4つの候補として、サディオ・マネがバイエルンに移籍してからは空きとなっているエースナンバー「10」、それに相応しくないとクラブが判断すれば「12」、続いてPSVデビュー時の彼の番号である「52」、そして「18」を挙げた。

 この「18」は今夏にモナコへ移籍した南野拓実がつけていたもので、まだ空きとなっている。また「リバプールの一連の尊敬されるスターが着用したナンバー」であるとして、背番号固定制となって以降、フィル・チャーノック、マイケル・オーウェン、ジャン=ミシェル・フェリ、エリック・マイヤー、ヨン・アルネ・リーセ、アントニオ・ヌニェス、ディルク・カイト、アルベルト・モレーノ、南野という系譜も紹介されている。
  このように、今でもリバプール関連の記事でその名前が登場する南野。サッカー専門サイト『planet football』は、ガクポ獲得を受けて「ユルゲン・クロップ体制下で1月に補強された選手ランキング」を選定。ドイツ人指揮官が到来した2015年10月以降の「冬の移籍市場」で加入した選手を評価するこの記事で、日本人アタッカーは7人中の3位に順位付けされた。ランキングは以下の通り。

1位:フィルジル・ファン・ダイク(2018年加入/現所属リバプール)
2位:ルイス・ディアス(2022年/リバプール)
3位:南野拓実(2020年/モナコ)
4位:マルコ・グルイッチ(2016年/ポルト)
5位:オザン・カバク(2021年/ホッフェンハイム)※
6位:スティーブン・コーカー(2016年/ファティ・カラギュムリュク)※
7位:ベン・デイビス(2021年/レンジャーズ)※
※=レンタルでの加入 南野については、「レッドブル・ザルツブルク時代の2019-20シーズンにチャンピオンズリーグのリバプール戦で見せた印象的な活躍によって“わずか”725万ポンドで獲得された日本人は、当然ながら前線の3人(モハメド・サラー、マネ、ロベルト・フィルミーノ)の壁に阻まれ、2020年のプレミアリーグ出場はわずか4試合止まりだった」と記され、さらに以下のように続けられている。

「その後、サウサンプトンへのレンタル期間を経て、昨季は2つの国内カップ戦で活躍してチームに貢献したが、結局、最後まで自身の役割を明確にはできなかった。今夏にモナコに加入し、約1300万ポンドの移籍金が発生したことで、リバプールは別の利益を得ることができた」

 ネガティブな内容が目立つ寸評だが、2位のディアスについても「今季はアンフィールドでの最初のフルシーズンで怪我に悩まされて、ポルト時代と同じ影響をチームに与えるのに苦労しているが、今後数シーズンではクロップ監督にとって非常に重要な選手になると思われる」とやや厳しめな評価だ。
  そして1位のファン・ダイクだけが、「唯一の勝者。このオランダ代表はリバプールのバックラインに変革をもたらし、2019-20シーズンでの長期離脱により、その存在の重要さが証明された。昨季で全タイトルを制覇」と賛辞を贈られている。

 同メディアも伝えた通り、昨季はカップ戦で結果を残した南野だが、リバプールでの2年半は、全体的に見れば苦戦したという印象が否めない。そして現在、モナコでもスタートダッシュに失敗して控えに甘んじているが、残りのシーズンで巻き返しを見せることできるか。あるいは古巣の時と同様、しばらく厳しい紆余曲折の日々を強いられるのか……。

構成●THE DIGEST編集部

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