カリーら主力を欠いても好調のウォリアーズ。指揮官は「この6試合の戦いぶりは見事だった」と選手を称賛<DUNKSHOOT>
だがここからクレイ・トンプソンがフリースロー2本とレイアップを決めて4点を奪取。3点差とされた残り1秒には値千金の3ポイントをヒットさせ同点に追いつくと、本拠地チェイス・センターは興奮の坩堝と化した。
しかし最後に笑ったのはピストンズ。タイムアウト明けのラストポゼッションでサディーク・ベイが劇的な3ポイントをねじ込み、昨季王者から貴重な白星(122−119)を手にした。
ホームで惜敗したウォリアーズは、「いい気分になんてなれるわけがない。僕らは今夜ものすごくハードに戦っていたんだから」と試合後に語ったトンプソンがゲームハイの30得点をマーク。ジョーダン・プールが24得点、6アシスト、タイ・ジェロームが18得点、アンソニー・ラムが17得点、ケボン・ルーニーが8得点、15リバウンド、2スティール、2ブロック、ドレイモンド・グリーンが8リバウンド、7アシストを記録した。
イースタン・カンファレンス14位のピストンズ相手に痛恨の1敗を喫したウォリアーズだが、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は試合後、奮闘した選手たちを称えた。
「この数週間というもの、選手たちが砦(ホームコート)を守ってくれたことがどれだけ誇らしいことかを伝えた。今夜はタフな負けだったが、今のロスターの状態を考えれば、この6試合で5勝したホームゲームの戦いぶりは見事だったよ」
指揮官が話した通り、ウォリアーズは現在ステフィン・カリーとアンドリュー・ウィギンズの先発2人を欠いているだけでなく、ジョナサン・クミンガ、ジェームズ・ワイズマン、ジャマイケル・グリーン、アンドレ・イグダーラもケガや体調不良などで離脱中。大幅な戦力ダウンを余儀なくされていた。
にも関わらず、チームは昨年12月25日のメンフィス・グリズリーズ戦を皮切りに、ホームで今季最長の5連勝をマーク。そのうち4試合は6点差以内の決着と、接戦を制して白星を積み重ねた。 とりわけ1月2日のアトランタ・ホークス戦では、2度の延長にもつれる大激戦となるなか、トンプソンが今季最多の54得点、プールが28得点、ルーニーが14得点、20リバウンド、グリーンが13リバウンド、11アシスト、2スティール、3ブロックと持ち味を発揮し、勝利を収めた。
5日終了時点で、ウォリアーズはウエスタン・カンファレンス9位の20勝19敗(勝率51.3%)。同勝率で並ぶ首位のデンバー・ナゲッツとグリズリーズ(25勝13敗/勝率65.8%)とは5.5ゲーム差のため、まだ上位進出の芽は残されている。
そんなウォリアーズに朗報が届いた。左肩の亜脱臼のため10試合連続で欠場しているエース、カリーの復帰が近づいているという。カーHCはカリーの現状について以下のように語っている。
「彼は本当にいい回復を見せている。ここまでなんの妨げもなくできている。すでにコートに戻っていて、日々メニューを増やしている段階だ。我々としては、来週のどこかで彼が復帰することを望んでいる」
ウォリアーズは現在ホーム8連戦の真っ只中。ピストンズ戦に惜敗したとはいえ、ここまでホームでは17勝3敗と圧倒的な強さを誇る。その一方で、アウェーでは3勝16敗でリーグワーストに沈んでいる。
カリーは7日に再検査を受ける予定で、早ければアウェー5連戦がスタートする13日のサンアントニオ・スパーズ戦で復帰する可能性があると、現地メディアは報じている。
長丁場のレギュラーシーズン、ウォリアーズとしてはここでカリーを強行出場させてケガを悪化させる事態だけは避けたいところだろう。エース復帰の可否に関わらず、来週末から始まるアウェー5連戦は、連覇に向けた大きなテストになりそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)