2023年のF1は3月第一週の週末にバーレーンで開幕し、史上最多の24レースで争われることとなる。

 10チーム20人のドライバーによる熾烈な戦いには、様々な興味が秘められているが、米国の自動車専門メディア『Autoweek』は「2023年のF1シーズンに向けての23の重要な疑問」と題した記事で、今季の世界最高レースの見どころを以下のように挙げている。

 【動画】2022年シーズン最終戦を飾ったのはフェルスタッペン! 2位争いも最後まで白熱 最初は「マックス・フェルスタッペンを止める者はいるか?」ということで、グランプリの年間王者が誰になるかはやはり最大の興味だろう。昨季は圧倒的な強さで2連覇を飾ったレッドブルのオランダ人ドライバーが覇権を防衛し続けるのか、あるいは他の誰かの反撃を許すのか。

 同メディアは、「堅実に進化してきたレッドブルの新シーズンの車『RB19』が速くなかったらショックだ」として、今回も王者候補の筆頭に挙げる。なお、3連覇を遂げた場合、ファン・マヌエル・ファンジオ、ミハエル・シューマッハー、セバスティアン・ヴェッテル、そしてルイス・ハミルトンに続く偉業となるが、果たして!?

 2番目は、「レッドブル打倒を狙うフェラーリがフランス人のフレデリック・ヴァスールを新たなチームプリンシパルに迎えたことで、いかなる効果を得るのか?」。昨季は最速の車を擁しながらも、信頼性の不安とレース運びの拙さなどでライバルの独走を許したイタリアの名門チームに対し、アルファロメオでの6年間を過ごし、別カテゴリーでも経験を積んだ彼が「何を変えるか?」に同メディアは興味を示している。

 3番目は「メルセデスが優勝争いに復帰するか?」だ。昨季は新レギュレーションの下でポーパシングの影響を最も受けたチームのひとつで、完全に出遅れ、7度の世界王者ハミルトンはキャリアにおいて初めて勝利&ポールポジションなしに終わり、チームとしてもジョージ・ラッセルの1勝止まりだった。昨季の開発の遅れが、今季の「W14」にいかなる影響を与えるのかが気になるところだ。

 4番目は「『トップ・オブ・ザ・レスト』がトップとのギャップがどれだけ埋められるか?」。つまり、レッドブル、フェラーリ、メルセデス以外のチームの躍進の有無である。ちなみに昨季、「ビッグ3」以外で表彰台に上がったのは、マクラーレンのランド・ノリスだけだった。

 5番目は「最速のフランス人ドライバーは?」。これは、エステバン・オコンとピエール・ガスリーというフレンチ体制となったアルピーヌに対する興味でもある。旧知の間柄でありながら、キャリアを積む中で確執が生まれた2人のドライバーのライバル関係は、チームメイト同士となったことで再燃することが予想され、火花を散らすような戦いがあらゆるところで見られるかもしれない。
  続いて、6番目は「マクラーレンのルーキーであるオスカー・ピアストリは前評判の高さ通りの活躍を見せるか?」、7番目は「最年長41歳のフェルナンド・アロンソは新天地アストンマーティンでどうなる?」、8番目は「マクラーレンを離れたアンドレアス・ザイドルはザウバー(アルファロメオ)をどう変えるか?」、9番目は「ハースは昨季からの一貫性を維持できるか?」、そして10番目は「アルファタウリの若いドライバーたちは成長を続けられるか?」ということで、以下のように角田裕毅についても言及されている。
 「角田にとってはF1での3シーズン目となるため、勝負の時を迎える。気さくな日本人ドライバーは高い人気を博しているが、今季は新たなチームメイトの存在もあり、よりステップアップが求められる。一方、ニック・デ・フリースのレース経験は豊富だが、F1は別物だ。レッドブル・ジュニアチームの出身ではない彼との契約は、レッドブル首脳陣にとってギャンブルであり、それが報われない場合、ヘルムート・マルコ顧問は別の賭けに打って出ることになる」

 以降、11番目は「ウィリアムズのローガン・サージェントにとって良いルーキーイヤーとなるか?」、12番目は「ウィリアムズはチャンピオンシップ最下位から抜け出せるか?」。13番目からは商業面に話題が移り、「2年目のマイアミGPはどうなる?」、14番目は「スパ・フランコルシャンでのレースは2024年以降も続くか?」、15番目は「F1は中国との関係を復活させるか?」、16番目は「ラスベガスGPは前評判に応えるか?」、17番目は「サッカーのワールドカップを成功させたカタールはF1に何をもたらすか」と続く。

 18番目は「アンドレッティはF1に参戦できるのか? いつ?」、19番目は「ポルシェ、アウディ、そして他の企業の参戦はどうなる?」と、新規参戦に対する話題。続いて20番目は「シートを失ったドライバー、若い下部カテゴリーのドライバーで、F1への道を見つけるのは?」と、ダニエル・リカルド(レッドブル)、ミック・シューマッハー(メルセデス)、フェリペ・ドルゴビッチ(アストンマーティン)、テオ・プルシェール(アルファロメオ)らの動向に注目している。

 21番目以降はルールに関するもので、「新シーズンは6戦に増えるスプリントの未来は?」、22番目は「タイヤに関するルール変更の影響は?」。これは、予選でドライコンディションの場合、Q1ではハード、Q2ではミディアム、Q3ではソフトと、使用タイヤを指定されることを指す。そして最後は、「F1とFIA(国際自動車連盟)との関係はどう変化する?」という政治面の興味で締められている。

構成●THE DIGEST編集部
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