今季でキャリア14年目、現地時間3月14日(日本時間15日、日付は以下同)には35歳を迎えるステフィン・カリー。すでに大ベテランと呼べる域に達しているが、ここまで平均29.3点、6.4リバウンド、6.3アシスト、フィールドゴール成功率48.7%、3ポイント成功率41.7%と見事なパフォーマンスを披露しており、いまだ衰える気配を見せていない。

 キャリアを通じてゴールデンステイト・ウォリアーズを4度の優勝に導いたほか、シーズンMVPを2度、オールスターとファイナルMVPをそれぞれ1度ずつ受賞。レギュラーシーズン(3270本)、プレーオフ(561本)でいずれも歴代最多の3ポイントを成功させており、現時点でバスケットボール殿堂入りが決まっていると言っていい現役レジェンドだ。

 ただ、もし欠けている経歴があるとすれば、オリンピックの出場経験だろう。アメリカ代表として2007年のU19ワールドカップで銀メダル、2010、14年のFIBAワールドカップでは金メダルを獲得しているものの、オリンピックではまだプレーしていない。
  これについて、1月19日にNBAインサイダーのマーク・スタイン記者が公開したインタビュー記事によれば、カリーは2024年に開催されるパリ五輪への参戦について、こう語った。

「その機会については僕もワクワクしている。コーチ・カーが率いることもわかっているよ。世界選手権(現ワールドカップ)に2度出場してきたけど、その両方を経験したみんなは、オリンピックがどれほど違うものなのかと話してくれた。みんなが揃って、あの気持ちや雰囲気、それにアドレナリンが(ワールドカップとは)全然違うと言っているんだ」

 カリーが話したとおり、現在アメリカ代表の指揮官はウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が務めている。今夏にはワールドカップの開催も控えているものの、カリーにとって最大の焦点は、やはり2024年のパリ・オリンピックということなのだろう。

 2021年の東京オリンピックで金メダルの殊勲者となったケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)には、すでに代表入りのコンタクトをとったと報じられており、バスケットボール界における歴代最高のベストシューターであるカリーも、候補に入っていることは間違いない。
 「チャンスがどれだけあるのかはわからない。だってこの先に何が起こるかなんてわからないからね。けど、どこかで是非ともその経験を味わいたいのは確かだ」。カリーはそう話し、オリンピック参加に前向きな発言をしていた。

 カリーのキャリアはまだまだ続く。今季は自身2度目の連覇を達成するチャンスがあり、今後もウォリアーズというフランチャイズへ、新たなチャンピオンシップをもたらす可能性は十分にある。
  その一方で、オリンピックという世界最高級の国際舞台でカリーが躍動できるのは、次回のパリ大会が最後になるかもしれない。バスケットボールファンだけでなく、スポーツファン、いや世界中の人たちがその姿を見届けたいと思っているに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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