現地時間2月16日(日本時間17日、日付は以下同)、シャックことシャキール・オニールが主役を務める『TNT』のポッドキャスト番組『The Big Podcast』の最新エピソードが公開された。

 公称216cm・147kgの巨漢で、現役時代にペイントエリアを牛耳ってきたレジェンドセンターは、キャリア19シーズンで平均23.7点、10.9リバウンド、2.5アシスト、2.3ブロックにフィールドゴール成功率58.2%という立派な数字をマーク。

 ロサンゼルス・レイカーズで2000〜02年にかけて3連覇を達成し、3年連続ファイナルMVPに選ばれたほか、通算4度の優勝にオールスター選出15度、オールNBAチーム選出14度、オールディフェンシブチームにも3度選出、2016年には殿堂入りも果たすなど、輝かしい実績を残してきた。

 加えて、現役時代から歯に衣着せぬ発言でも注目を集めていたシャックは、引退後は『TNT』の番組内で活躍。だが、先月ワシントン・ウィザーズからトレードでレイカーズへ移籍した八村塁への発言では度々炎上してきた。
  1月24日に放送された『TNT』の番組内で、シャックは「トップ10プレーヤーでもなければ、(八村が)誰なのか知らない。悪く思わないでくれよ。俺があんな子を知っているわけないだろ」とコメント。さらに「彼の幸運を祈る。彼らが上手くいくとね。だが悪いけど、俺は彼がどんな人物なのか知らなかった。(ワシントン)ブレッツやウィザーズの試合は観ていないんだ」と語り物議を醸した。

 そして直後に公開された『The Big Podcast』でも、シャックは「アイツは誰なんだ?いやマジで。写真を見せてくれよ」と言い放っていた。

 八村は日本でこそバスケットボール界のスーパースターだが、NBA全体で見ればあくまで“若手の1人”であり、所属するチームの看板選手でもなければ、トップスコアラーでもない。

 とはいえ、2019年のドラフトで日本人史上初の1巡目指名(9位)されてNBA入りした“日本の至宝”は、2020年のライジングスターズにも出場しており、ウィザーズでプレーした約3シーズン半で平均13.0点、5.1リバウンド、1.4アシストをマークしている。
  シャックの発言には“バスケットボールジャンキー”のケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)もツイッターで「シャキールはバスケを知らないのか?」と批判。

 その八村は、レイカーズへ加入後に11試合(うち先発は8試合)へ出場し、平均26.2分のプレータイムで10.7点、6.1リバウンドをマーク。2桁得点を5度記録し、新天地でもローテーション入りを果たしている。

 するとシャックは『The Big Podcast』の最新エピソードで、自ら八村へ謝罪。だが、レジェンドが口にした名前は“存在しない人物”だった。

「ルディ・ハチムラへ謝罪させてくれ。彼がどんな人物か知らなかった。彼のプレーを観たことがなかったんだ。だが、彼はいいロールプレーヤーじゃないか……。なぁ、ルディ・ハチムラ、お前のことを知らなくてすまなかった。今はお前のことを知っているぞ。まぁ元気でな」
  その後出演者から「ねぇもう一回名前を言ってみて」、「ルディじゃなくてルイね」と言われると、シャックは一瞬口が止まり、「ルイなのか?ルイ・ハチムラか」と白い歯を見せながら話していた。

 このシャックの謝罪は、はたして本意なのだろうか。彼の性格や、名前を間違えたこと、あえて“いいロールプレーヤー”と表現したことなどを考えると、謝罪に見せかけた皮肉を言っているようにも感じる。

 案の定、この発言がTwitterで拡散されると、デュラントはすかさず「Ruiだぞ」と引用リツイート。八村のゴンザガ大の先輩であるロバート・サクレ(元レイカーズほか)も「Ruiだって!!!」と返信する始末だった。

 今回の発言を聞いた視聴者やファン、選手たちの反応を見て、シャックがまた八村について話す機会があるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

新たな背番号は「28」名門レイカーズで奮闘する八村塁の厳選フォトギャラリー