「中団の後方に位置するが…」F1合同テスト受け、専門メディアがアルファタウリの位置づけを発表!
【動画】アルファタウリ最新版「AT04」がテスト走行! 角田裕毅のマシンがコースへ スクーデリア・アルファタウリは、コンストラクターズランキング9位に沈んだ昨季からの雪辱を誓い、角田裕毅、ニック・デ・フリースの両ドライバーが3日間合計456周という10チーム中最多の走行を完遂し、パフォーマンスランでは前者が3日目午後に全体の6番手、後者が2日目午後に4番手のタイムを計測してみせた。
角田は「非常に生産的な3日間のテストを行ない、シーズンに向けて多くの有用なデータを収集できた」、デ・フリースは「テスト最終日では全てがうまくいった。非常に満足している」と、それぞれコメント。そしてチーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルスは、「シーズン開幕後のパフォーマンスへの期待については、現実的に考えて、中団争いのライバルチームと対等に戦えると確信している」と自信を窺わせている。
このように、充実の3日間を過ごしたことを個々が強調しているアルファタウリの、相対的な評価が気になるところだが、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は合同テストを通して、10チームのランク付けを以下のように行なった。
1位:レッドブル/413周/1分30秒305
2位:フェラーリ/417周/1分31秒024
3位:アストンマーティン/387周/1分31秒450
4位:メルセデス/398周/1分30秒664
5位:アルピーヌ/353周/1分32秒762
6位:アルファロメオ/402周/1分30秒827
7位:ハース/415周/1分31秒381
8位:アルファタウリ/456周/1分31秒261
9位:マクラーレン/312周/1分32秒160
10位:ウィリアムズ/439周/1分32秒549
※順位:チーム名/合計周回数/ベストラップ イタリア・ファエンツァのチームを8位とした同メディアは、「アルファタウリのペースなものと感じられたが、最終日の夕方に角田がC4タイヤのグリップを使って好タイムを叩き出した。とはいえ、燃料が少ない状態でのタイムに惑わされないように注意する必要がある。おそらくこのチームは、中団の後方に位置しているが、完全な後方にいるわけではない」と綴り、具体的な印象を以下のように綴っている。
「昨季見られた高速コーナーでのグリップ不足への対処については前進したように見えるが、低速コーナーでのパフォーマンスにはまだ大きな疑問符がつく。一方、高速コーナーではまだアンダーステアの兆候が見えるのに対し、よりタイトなコーナーでそれはあまり見られなかった」
また、ジョディ・エッギントンTDがセットアップのテストで「予想とは全く異なる結果が得られた」というコメントに対しても、不確定要素が多いという点で同メディアはネガティブに捉えているようだが、一方で「このチーム以上に多くの周回を重ねたチームは他におらず、シーズン開幕時でまだ車の性能が制限された状態においても、最大限に力を引き出せるはずだ」と、ポジティブな要素を挙げた。
オランダのF1専門サイト『RN365』は、「プレシーズンF1テストの敗者」という厳しい表現で、バーレーンでネガティブな印象を抱いた5チームを発表。マクラーレン、アルピーヌ、メルセデス、ウィリアムズとともにアルファタウリも選出され、「アルファタウリは最多の456周の走行を完遂したが、このテスト中に彼らが望んでいた前進はなかった」と評されている。
「デ・フリースはタイム計測中にアンダーステアに悩まされ、これは重かった2022年型マシンを思い起こさせた」と指摘した同メディアは、ベストラップについてはソフトコンパウドのタイヤと低燃料の状態での走行ということで、こちらも車の真の特徴を知る上であまり重視していないようだ。
また、先日報じられたチーム売却の可能性についても言及し、「レッドブルグループの一員としての将来を決定する上で、今季の結果が非常に重要なものになることを意味する」と指摘。そのためにも、AT04が強力なパフォーマンスを発揮することが期待されるが、果たして今週末、アルファタウリはどのようなシーズンのスタートを切るのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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