F1バーレーン・グランプリは3月4日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅はQ2進出を果たして14番手につけた。

 午前のフリー走行3回目で15周を走行して全体の16番手となるベストタイム1分33秒475を計測した後に臨んだ予選、角田はQ1で1分31秒400と8番手の好タイムで突破。Q2ではユーズドのタイヤということで苦戦を強いられ、ベストタイムは1分32秒510に止まっている。

【動画】今シーズンは紅葉柄のヘルメットを着用! コクピットで待機する角田 前日のペースからも苦戦が予想されたアルファタウリ。実際、ルーキーのニック・デ・フリースがQ1で19番手に沈んだが、角田は現時点での「AT04」の力を十分に引き出して結果を出したあたりは、やはりF1でのキャリアの違いが出たというところだろうか。日本人ドライバーは、チームの公式サイトを通して、以下のように2日目を振り返った。

「Q2に進めると思っていなかったので、自分自身にとっても、チームにとってもポジティブな結果となりました。Q2で新しいタイヤを使えなかったことはもちろん残念でしたが、元々そういうプランでした」

「このコンディションでのロングランは試していなかったので、今夜データを確認し、明日に向けて、特にグリップの面で、可能な限り強力な車を用意できればと思います。今日の自分のパフォーマンスについては満足していますが、大事なのは明日です。ポイント獲得を狙っていますが、先週の合同テストの状況から考えれば、簡単なレースにならないことは分かっています。それでも、何が起きるか分かりません」

 また、予選後のF1公式サイト『F1.com』のインタビューでも、「Q1でのタイムには満足しています」「Q2進出、しかも8番手というのは、我々にとっての驚きでした」と満足感を示したが、「タイヤは3セットしか使えず、それはQ2に進んでも使える新品タイヤがないことを意味していました。これには、少しばかりフラストレーションが溜まりました」とも語り、「レースは難しいものになるし、ポイント獲得のためにかなり厳しい戦いを強いられるでしょう」と予想している。
  SNSで公開した予選後のピット内を歩く自身の写真からは、彼の様々な感情が見て取れるが、チームも「色々な思いが入り混じった結果」とSNSに投稿。テクニカルディレクターのジョディ・エッギントンは、「ユウキは、車のポテンシャルをほぼ全て引き出すという、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。もちろん、AT04のパフォーマンスには満足していない。次の数戦で空力の開発も進む予定だ」と、角田のQ2進出を称賛するとともに、車の現状や今後についても言及した。
  海外メディアの報道では、オランダのF1専門サイト『GRAND PRIX RADIO』が「日本人ドライバーはQ1での力強いパフォーマンスでQ2に進出したことで、満足にこの日を振り返った」と伝え、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は「アルファタウリが明らかに競争で出遅れたにもかかわらず、角田はQ2に進出。この事実には、日本人ドライバー自身が驚いた」と綴っている。

構成●THE DIGEST編集部
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