現地時間3月5日に行なわれたリーグアン第26節、スタッド・ドゥ・ランス(以下ランス)は1-0でアジャクシオを下し、リーグでの連続無敗を18試合に伸ばした。

 ランス、そしてフランス代表のレジェンドであり、1958年スウェーデン・ワールドカップで歴代最多13得点を記録したことでも知られるジュスト・フォンテーヌが3月1日に逝去したことを受け、試合前には黙祷が捧げられた一戦、ランスは64%のボールポゼッションを誇り、相手の2倍以上のシュート(12本)を放つもゴールには至らず、勝点1止まりに終わるかと思われたが、後半アディショナルタイム4分、イェンス・カユステがペナルティーエリア手前からダイレクトシュートをゴール右上隅に突き刺した。

【動画】伊東純也が終了間際に決勝点をアシスト! ランスが18戦無敗を記録したアジャクシオ戦をチェック かつて(1958-59シーズン)ランスをチャンピオンズ・カップ(現リーグ)準優勝に導いた偉大なOBに勝利を捧げることができたわけだが、この土壇場での劇的なシュートをアシストしたのが、右ウイングとして先発出場を果たし、ドリブルやパス、クロスでチャンスを創り続けた伊東純也である。

 クリアボールをエリア際でトラップし、マーカーに寄せられた状態でも粘ってボールをキープし、背後のカユステに体制を崩しながらラストパスを出した日本人選手は、SNSで自身のアシストよりも勝点3の獲得を喜んだが、リーグアンの公式サイトは「伊東がトーマス・フォケットのクロスを引き出し、戻って来たボールをパスし、カユステのゴールをお膳立てした」と、背番号39の働きを強調した。

 現地メディアの評価や報道を見ると、スポーツ紙『L’EQUIPE』は「伊東はアジャクシオ戦で今季5回目のアシストを記録し、ランスは無敗を継続できた」と伝え、伊東については「両チームが長く無力化された試合の終わりに、伊東は努力を惜しむことなく、土壇場で決定的なパスをカユステに提供して勝利を奪った」と評し、10点満点の採点で及第点の「6」を与えている。

 サッカー専門サイト『Made in FOOT』は、「圧巻!」と表現したこの劇的な勝利に貢献した伊東のアシスト場面を「DFの“森”の中で奮闘し、背後のカユステにつま先でパスを出した」と伝え、『football.fr』は「最後の数秒のプレーで、伊東はボールを失わないように苦労して背後のスウェーデン代表選手に戻した」と綴った。
  ランスの地元スポーツメディア『sportclub-reims』は「カユステが伊東のお膳立てを受けて見事なシュートを放ち、18戦無敗という素晴らしい記録を継続した」、『orange.fr』は「5分間のアディショナルタイム、伊東がボールを失わないように強引にキープしたことを、この試合の勝敗を決するポイントとなった」と指摘している。
  この決定的なプレー以外にも、伊東は幾つかの効果的なプレーを披露しており、ランスのSNSや公式サイトから「フォラリン・バロガンへの完璧なクロス」「バロガンとの素晴らしい連係からマーシャル・ムネツィにチャンスをお膳立て」と称賛された。

 ランスは現在8位につけているが、欧州カップ戦圏内の5位とは勝点6と十分に手の届く位置におり、ウィル・スティル監督は「トップ5? 大変なチャレンジだが、限界点を自ら設けるべきではない」と語るも、一方で「シーズン終了後の順位といった目標を設定することはなく、試合に勝ち続けることだけを目指している」と、それぞれの試合だけに集中する姿勢を示している。そんなチームにおいて、伊東は今後も重要な仕事を果たし続けられるか、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部
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