現地時間3月11日に行なわれたプレミアリーグ第27節、ブライトンは下位に沈むリーズと2-2で引き分けて、欧州カップ圏内との勝点差を縮めるチャンスを逸したものの、三笘薫は全2ゴールに絡んだ他、守備でもチームへの貢献ぶりを見せている。

【動画】オウンゴールを誘発する三笘薫のキレッキレのドリブル突破をチェック! 33分のアレクシス・マク・アリステルの先制ヘッドの場面では、パスカル・グロスの右からのクロスに対し、マーカーに競り勝っての打点の高いヘッドで折り返して今季公式戦通算4つ目のアシストを記録、さらに61分にはマーカーとの1対1から縦に抜け出る得意のプレーで左からクロスを入れ、これが相手DF陣の混乱を引き起こし、オウンゴールを誘発した。

 その他にも、速攻からのマク・アリステルへの完璧なラストパスなどのチャンスメイクをこなし、一方で自陣ゴール前での懸命のスライディングで相手の決定的チャンスを阻むという守備での好プレーも光り、結果には悔いを残すこととなったこのアウェーマッチでも、十分に存在感を示している。

 クラブはSNSや公式サイトで、この日本人アタッカーのアシストの場面を「(マーカーの)ルーク・エイリングを打ち破った」と伝え、2点目を生み出したプレーについては「左サイドでのカオルの素晴らしいプレー」「左サイドを攻略しての素敵なクロス」と称賛。プレミアリーグの公式サイトでは64.9%という断トツの得票率で、今回も「マン・オブ・ザ・マッチ」に選定している。

 現地メディアからも高評価を下されており、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は、彼のプレーを「クリエイティブ」と表現し、10点満点の採点では単独最高の「8」として、こちらも最優秀選手に。また、同メディアのローラ・ハンター氏は「三笘の潜在能力が解き放たれた。独創的でスタイリッシュだが、粘り強く決断力があり、そのプレーを見るのは素晴らしい。彼はブライトンのクリエイティブな刺激だ」と絶賛し、以下のように続けた。

「前監督のグレアム・ポッター(現チェルシー)の下では1回しか先発出場できなかったとは信じがたい。なんという見落としだ。三笘はブライトンのサッカー哲学を支えており、ロベルト・デ・ゼルビがそれを大切にし、養っている。(中略)1月にレアンドロ・トロサールがアーセナルに移籍する前、全ての話題はこのベルギー人のブライトンでの影響力に関するものが占めていたが、今や評価を得ているのは三笘だ。影からスポットライトへ――ついに彼が輝く時が来た」
  英国公共放送『BBC』は、マク・アリステルへのアシストを「グロスの深い位置からのクロスを、“聡明”なヘッドで危険なエリアにボールを送った」、追加点の場面を「三笘のクロスが2点目をブライトンにもたらした」と伝え、視聴者による採点ではルイス・ダンクに次ぐチーム2番目となる「6.84」。そして、日刊紙『The Guardian』も「マク・アリステルに完璧なヘッドでパスを送った」「クロスがボックス内のリーズにカオスを引き起こした」と報じている。
  ブライトンの地元メディアでは、日刊紙『The Argus』が、モイセス・カイセドと並んでチーム最高の「8」という高採点を与え、寸評では「先制アシストとなったヘディングパス、マク・アリステルのチャンスに繋がったラン、2点目を生み出した左サイドからの仕掛け、そしてエイリングへの的確なタックルと、多くの見ていて楽しいプレーがあった。彼は良かったが、どれだけ容易にエイリングを置き去りにしていたかを考えれば、もっと多くの問題を彼に引き起こせたかもしれない」と賛辞を贈りながらも、より多くのものを求めた。

『Sussex live』は、「前半はかなり静かだったが、マク・アリステルへの適切なヘディングでのパスで先制点をアシスト。後半に入ると突然、エイリングを置き去りにするなどプレーに絡んだ。彼が違いを生み出したように見えた」とポジティブな内容の寸評を綴り、採点はやはり最高タイの「8」が与えられている。

 一方、『Sussex Express』は「27分に良い戻りからエイリングの決定的なシュートを阻んだ。マク・アリステルの先制ゴールをアシストし、クロスではチームの2点目をお膳立て。堅実な守備とファイナルサードでの冷酷さが示された」と、攻守両面での貢献ぶりを強調し、こちらも「8」と、ダンク、カイセド、ソリー・マーチと並んでのチーム最高採点だった。

構成●THE DIGEST編集部
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