【センバツ出場プロスペクトランキング】“広陵のボンズ”真鍋、大阪桐蔭・前田とプロ注目の逸材がずらり!<SLUGGER>
▼20位:岩本聖冬生
(報徳学園・3年・外野手)
高校球界トップクラスのスピードスター。その俊足ぶりは中学時代から際立っており、昨年秋も12試合で8盗塁をマーク。走り打ちにならずに、強く振ろうという意識が感じられるのもプラス材料で、センターの守備範囲の広さも圧倒的だ。甲子園の大舞台でもそのスピードを生かしてダイヤモンドを駆け回ることを期待したい。
▼19位:宮国凌空
(東邦・3年・投手)
東海地区では指折りの右腕。1年秋から投手陣の一角に定着すると、エースとなった昨年秋はフル回転の活躍でチームを東海大会優勝に導いた。明治神宮大会では疲労もあって本調子には程遠い内容だったが、好調時のストレートは勢い十分で試合を作る能力も高い。チームは“春の東邦”と呼ばれるだけに、センバツでは本来の投球を見せたいところだ。
▼18位:ハッブス大起
(東北・3年・投手)
入学直後から大器と評判の大型右腕。その後はなかなか目立つ結果を残すことはできなかったが、昨年秋の宮城県大会決勝では夏の甲子園優勝の仙台育英を相手に見事な投球を見せてチームの優勝に大きく貢献した。上背の割にまだ力強さは物足りないが、指先の感覚の良さが光る。センバツでは開幕戦で大きく成長したところを見せてもらいたい。
▼17位:知花慎之助
(沖縄尚学・3年・外野手)
抜群の打撃センスが光る強打のトップバッター。昨年秋の九州大会では4試合で10安打、2本塁打、打率.714という驚異的な数字を残してチームを牽引した。上背はないものの、無駄な動きのない鋭い振り出しで長打力と確実性を備える。センターの守備も動きが良く、外野手としての総合力の高さも魅力だ。
▼16位:小玉湧斗
(健大高崎・3年・投手)
北関東を代表する右腕。投手としては小柄だが、躍動感あふれるフォームから繰り出すストレートはコンスタントに140キロを超え、数字以上の勢いを感じる。大きなカーブと縦に鋭く変化するスライダーも一級品だ。昨年11月の練習試合では近畿大会にも出場した近大新宮(和歌山)を相手に11連続三振もマークした。
▼15位:小川大地
(大阪桐蔭・3年・遊撃手)
中学時代から評判の大型ショート。神奈川のチームから初めて大阪桐蔭に入学したことでも話題となった。レギュラーをつかんだのは昨年秋からだが、1番に定着し、攻守にわたる活躍でチームの明治神宮大会連覇にも大きく貢献。強肩とリストの強さは申し分ないだけに、センバツではプレーのスピードがどこまで出てくるかに注目だ。
▼14位:坂根葉矢斗
(履正社・3年・捕手)
旧チームから不動の正捕手として活躍している強打のキャッチャー。上背はないが、捕手らしいたくましい体格で、キャッチング、スローイングなど守備の安定感は目を見張るものがある。打撃もホームラン打者ではないが、インパクトが強く、センターを中心に鋭い打球を放つ。甲子園でも攻守にわたる活躍に期待したい。
▼13位:境亮陽
(大阪桐蔭・2年・外野手)
“根尾昂二世”の声も上がる万能タイプの外野手。まだ細身だが鋭い振り出しで長打力も備えており、明治神宮大会では見事な一発を放った。抜群の脚力と投手としても140キロを超える強肩も備える。まだ背番号は2桁で、どのように起用されるかは不透明だが、能力の高さは間違いないだけに来年は大騒ぎされる可能性が高い。▼12位:山田脩也
(仙台育英・3年・遊撃手)
高い守備力が魅力のショートストップ。旧チームから不動のレギュラーとして活躍し、昨年夏の甲子園でもチームの優勝に大きく貢献した。軽快なフットワークとグラブさばきは一級品で、投手として140キロを超える強肩も大きな魅力だ。打撃の力強さは少し物足りないだけに、センバツではどこまでバッティングがレベルアップしているかに注目したい。
▼11位:徳丸快晴
(大阪桐蔭・2年・外野手)
逸材が揃うチームにあって、1年秋から不動の中軸を任されている左の強打者。無駄のない鋭いスウィングは下級生とは思えないレベルにあり、広角に鋭い当たりを放つ。中学時代は投手も兼任しており、ライトから見せるスローイングの強さも魅力だ。秋の近畿大会では不振だったが、続く明治神宮大会では4試合で打率5割という見事な成績を残した。
▼10位:鈴木叶
(常葉大菊川・3年・捕手)
下級生の頃から評判の大型強肩捕手。ボールがシュート回転するのは課題だが、抜群のフットワークでそのスローイングは高校生ではトップクラスだ。投手や守備への指示を出すタイミングが良く、リストの強いバッティングも魅力だ。タイプの異なる3人の投手の持ち味をどこまで発揮できるかも注目ポイントになりそうだ。
▼9位:日当直喜
(東海大菅生・3年・投手)
スケールの大きさが魅力の大型右腕。新チームから背番号1を背負うと、秋の東京都大会では4試合完投の活躍でチームを優勝に導いた。190cm、95kgの堂々とした体格から投げ下ろすストレートは角度があり、走者を背負ってからの粘り強さも光る。明治神宮大会では肩の不調で1回で緊急降板となっただけに、甲子園ではその悔しさを晴らす快投に期待したい。
▼8位:高橋煌稀
(仙台育英・3年・投手)
強力投手陣の中でも抜群の安定感を誇る大型右腕。2年夏の甲子園では背番号10ながら4試合に登板して1失点の好投でチームの優勝にも大きく貢献した。大型でも体の使い方が上手く、縦に腕が振れ、コーナーに投げ分けるコントロールは高レベルだ。明治神宮大会では少し調子を落としていたが、総合力では全国でも屈指の存在と言えるだろう。
▼7位:青山達史
(智弁和歌山・3年・外野手)
強打の智弁和歌山で旧チームから中軸を任されている右のスラッガー。ゆったりとした大きな構えは迫力十分で、芯でとらえた打球は軽々とフェンスを越える。調子の波があるのは課題だが、昨年秋の近畿大会では3試合で1本塁打、4打点と中軸として十分な成績を残した。打者としてのスケールは抜群なだけに、甲子園でも豪快な一発に期待したい。
▼6位:仁田陽翔
(仙台育英・3年・投手)
全国でもトップクラスのスピードを誇る本格派サウスポー。1年春から公式戦で登板するなど素質の高さは早くから注目されており、昨年夏の甲子園では故障明けながら最速147キロをマークした。安定感は高橋に劣るものの、ボール自体の力は素晴らしいものがある。大会前の練習試合でも好投しているだけに、センバツでは夏から成長した姿を見せてもらいたい。▼5位:西稜太
(履正社・3年・外野手)
総合力では今年の高校生でもナンバーワンと言える万能タイプの外野手。身体はそこまで大きくないが、確実性と長打力を兼ね備えた打撃は一級品。近畿大会でも初戦の瀬田工戦では、もう少しでサイクルヒットの大活躍を見せた。抜群の脚力で、センターの守備範囲の広さも目立つ。センバツでもリードオフマンとして打線を牽引する活躍に期待だ。
▼4位:平野大地
(専大松戸・3年・投手)
最速151キロを誇る関東ナンバーワン投手。中学までは捕手と一塁手で、投手に専念したのは高校入学後だが、2年夏には早くも150キロをマークするなど急成長を遂げた。秋は肋骨を痛めた影響で本調子ではなかったが、それでも巧みな投球でチームの関東大会準優勝に貢献した。センバツでは万全の状態で臨んで、150キロを超えるスピードに期待したい。
▼3位:堀柊那
(報徳学園・3年・捕手)
抜群の強肩が魅力の高校ナンバーワン捕手。2.00秒を切れば強肩と言われるセカンド送球では最速1.7秒台をマークし、ボールの勢いは圧倒的なものがある。脚力を生かしたフットワークも素晴らしく、キャッチング、ブロッキングも高レベルだ。打撃も確実に力強さが増しており、積極的な走塁も光る。今大会の活躍次第では上位指名も見えてくるだろう。▼2位:前田悠伍
(大阪桐蔭・3年・投手)
世代ナンバーワンの呼び声高いサウスポー。140キロ台中盤のストレート、ブレーキ抜群のチェンジアップなどボール自体も高レベルだが、それ以上に高校生離れした投球術が光る。1年秋から結果を残し続けており、大舞台での強さも魅力だ。昨年秋は疲労から本調子には程遠いピッチングだったが、センバツではしっかり調整して圧倒的な投球を見せてくれることを期待したい。
▼1位:真鍋慧
(広陵・3年・一塁手)
“広陵のボンズ”の異名をとり、佐々木麟太郎(花巻東)と並び称される今年の高校球界を代表するスラッガー。軽く振っているようでも飛距離と打球の速さは素晴らしいものがあり、昨年の明治神宮大会でも2本塁打を放った。守備は少し不安定だが、脚力と肩の強さも備えている。センバツでも厳しいマークが予想されるが、それを上回る打撃を見せてもらいたい。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。