「おいしいスルーパス」三笘薫のC・パレス戦決勝アシストを英国の各メディアはどう評価・表現したのか?
本来なら昨年9月17日に開催されるはずが、鉄道ストライキの影響で延期となっていた一戦は、15分に三笘薫が左サイドから中央に向けてドリブルを開始し、前線に走り込んだソリー・マーチに向けて的確なタイミングでスルーパスを通すと、マーチはシュートをゴール右サイドネットぎりぎりの位置に見事なシュートを突き刺して先制。互いにチャンスを迎えたこの試合唯一のゴールにより、ブライトンは7位の座を維持し、勝点3を積み重ね、欧州カップ戦圏内(5位まで)へ勝点2差にまで迫った。
【最新動画】左サイドからのカットイン→ディフェンス裏へ絶妙なスルーパス! 三笘薫の決勝アシストをチェック 三笘は前節リーズ戦に続いて今季公式戦通算5つ目となるアシストを記録した他、フィニッシュにも何度か絡み、交代を命じられる79分までプレーを続けた。クラブはSNSで「三笘のまた新たなアシスト」と伝え、公式サイトでは「自信を持って攻撃を仕掛けたアルビオンは、見事なゴールを決めた。アシスト王の三笘は相手CBとマーチの間にパスを滑り込ませ、オンサイドに留まるようにタイミングを見計らっての走りを見せたマーチが左足で低いシュートを突き刺した」と綴っている。
現地メディアの報道を見ると、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は「卓越したパス」「(相手CBの)マーク・グエイの前に立ちはだかったのは、三笘の先見の明があるパスだった」と報じ、10点満点の採点ではGKジェイソン・スティール(8)に次ぐチーム2番目タイの「7」。一方、英国公共放送『BBC』の視聴者による採点では、ルイス・ダンク(7.38)、マーチ(7.30)に次ぐチーム3番目の評価となる「7.26」が与えられた。
日刊紙『The Guardian』は「15分、日本のウィンガーが(対面する)ナサニエル・クラインを置き去りにして、三笘のプレーを見せた時、相手GKにとっては、マーチのペナルティーエリア際からのシュートに対して何もできることはなかった」、『THE Sun』紙は「三笘はチャンスの提供者となり、完璧なタイミングで走り込んだマーチに“おいしい”スルーパスを送った」と、それぞれゴール場面を振り返っている。
ブライトンの地元メディアでは、日刊紙『The Argus』が先制アシストを「見事なプレー。三笘がインサイドに切り込み、正確なスルーパスを滑らせた」と評し、『Sussex Express』も「前半はマーチへの完璧なパスで先制ゴールをお膳立てする前に、クロスを上げようとしたクラインに完璧なスライディングを仕掛けるなど、攻守両面で活躍を見せた」と絶賛したが、こちらは一方で「後半はあまり上手くいかず、インパクトは限定的。ペルビス・エストゥピニャンのクロスも活かせなかった」とも綴り、採点は「7」止まりだった。
そして、同じく地元メディアの『Sussex Live』も同採点(チーム2番目タイ)で、寸評は「ボールを持つ回数は多くなかったが、持った場合はすぐに効果的なプレーを披露し、タイミングの良いパスでマーチをゴールに導いた」と、こちらもポジティブな面を先に挙げた後で、「しかし、全体的にはこれまでのようにプレーは効果的でなく、79分に交代している」と厳しい記述となっている。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】「彼の知性がゴールに繋がった」FA杯8強に導いた三笘薫の決勝アシスト、英メディアはいかなる言葉で讃えたか?
【関連記事】三笘薫「才能を磨けた理由」が欧州で話題! プレミアでの活躍で日本の“大学サッカー”に脚光「設備は本物のプロクラブ並みだ」
【関連記事】三笘薫のドリブル突破はなぜ封じられ始めたのか? 相手の徹底マークだけではない原因… 現地メディアがブライトンの戦術から探る