今年から創設された女子ITF(国際テニス連盟)ツアーの「W15福井 大東建託オープン supported by JWT50」(4月24日〜30日/福井市・福井運動公園テニスコート/ハードコート)は、4月30日にシングルス決勝を実施し、第8シードの倉持美穂(24歳/730位)が第2シードのリー・ヤーシュエン(台湾/27歳/499位)と対戦。第2セットの第3ゲーム終了時にユーユンが途中棄権を申し入れ、7−5、3−0で倉持が勝利した。

 この大会は、元世界4位の伊達公子さんや元世界8位の杉山愛さんらで構成する「Japan Women's Tennis Top50 Club」(JWT50)が、世界への登竜門として作ったITFツアー6大会のうちの1つ。前週の大阪大会に続き、今週は福井で開催された。賞金総額はITFツアーの中で最も低い15,000ドルに設定し、世界のランキングポイントが乏しいジュニアや若手でも挑戦しやすいように配慮した。

 シード対決となった倉持とヤーシュエンの決勝は、今回が初対戦。第1ゲームでサービスゲームを落としてしまった倉持は、第6ゲームでブレークを返すも、次のゲームでブレークバックを許し、3−5とリードされる展開に。しかし第10、12ゲームを立て続けにブレークし、第1セットを7−5で先取。第2セットは、倉持が3ゲーム連取した時点で、ヤーシュエンが途中棄権を表明し、倉持の優勝が決まった。
  24歳の倉持は、早稲田大学4年時の2020年に関東学生トーナメントで優勝し、21年の卒業と同時にプロ転向。初めてITF大会に出たのは卒業後とのことで、地道に国内外の大会を回って力を付け、この3月にトルコの15,000ドル大会でITF初優勝を飾っている。

 前週の「W15福井 大東建託オープン」では、早大の同期である第1シードの清水映里を破るなど、素晴らしいプレーで準優勝を飾っていた。その勢いのまま入ってきた今大会は、初戦から1セットも落とさない勝ち上がりで確かな成長ぶりを発揮した。

 なお、次週のITFツアーは、岐阜県で「カンガルーカップ 国際女子オープン」(5月1日〜7日/岐阜市・岐阜メモリアルセンター/ハードコート/W80)が行なわれる。レベルが一段と上がる大会だが、国内の13週にわたるITFツアーでポイントを取得し、世界へと羽ばたくきっかけとなってほしい。

構成●スマッシュ編集部

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