今季のプレーオフで1回戦敗退となったメンフィス・グリズリーズは、オフに完全FA(フリーエージェント)となるディロン・ブルックスとは再契約しない方針だと報じられた。

 しかし、功労者をないがしろにする姿勢は、悪影響を及ぼす可能性があると元NBA選手のケンドリック・パーキンスは警鐘を鳴らしている。

 今季のグリズリーズは平均26.2点を記録した若きエースのジャ・モラントを中心に、デズモンド・ベインが平均21.5点、ジャレン・ジャクソンJr.が平均18.6点をマーク。NBA6年目のブルックスもチーム4位の平均14.3点をあげた。

 チームはレギュラーシーズンで51勝をあげ、ウエストの第2シードを獲得したが、プレーオフでは1回戦でレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの2枚看板を擁するロサンゼルス・レイカーズに2勝4敗で敗れ、あっけなくシーズン終了となった。

 2023−24シーズンに向けて新たなチーム作りを進めていくと目されるなか、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によれば、グリズリーズが「いかなる状況でもディロン・ブルックスと再契約しないと通告」し波紋を呼んだ。

 2008年にボストン・セルティックスでリーグ優勝を経験し、現在はNBAアナリストとして活躍するパーキンスは『ESPN』の番組『NBA Today』で、グリズリーズのブルックスに対する行動に疑問を呈した。
 「グリズリーズが再契約しないだろうとは予想していた。しかし、何をするかではなく、どのようにするか、だ。正直、我々がディロン・ブルックスのことで冗談を言ったりするのはあり得るとして、グリズリーズの彼の扱いはおかしい。再契約するつもりはない、チャンスはゼロだと言う必要があるか?」

 17年のドラフト2巡目45位でNBA入りしたブルックスは、派手なプレーこそないが、3ポイントと守備を得意とする3&Dとして定評がある。パーキンスは、6年間の貢献に対してもっとポジティブに送り出すべきだったと主張している。

「彼は契約したいと思っていた。フランチャイズのために6年間を過ごし、この数年はチームのために重要な存在だった。もしジャ・モラントやジャレン・ジャクソンと一緒にプレーする選手を獲得しようとしているなら、『ディロン・ブルックスをああやって扱ったんだ』とマイナスには捉えてもらいたくはないね。俺なら間違いなくそう思うからね」

 グリズリーズのブルックスへの決断は、チームにネガティブな印象を植え付けることになってしまうのだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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