F1第5戦のマイアミ・グランプリ、アルファタウリの角田裕毅は決勝で17番グリッドからスタートし、多くのオーバーテイクを披露したものの、ポイント圏内まであと一歩となる11位でチェッカーを受けることとなった。

【動画】マイアミGP、角田裕毅のオーバーテイクショー! 週末を通してAT04のアップデートの効果が感じられた先週のアゼルバイジャンGPとは対照的に、再びグリップ不足に苦しめられた角田は、今季初めて予選でチームメイトのニック・デ・フリースにタイムで下回り、Q1敗退の憂き目に遭ったが、決勝では打って変わってオープニングラップから力強いレースを展開し、今回も終盤には11番手に浮上。3戦連続の入賞の期待が高まったものの、前を走るケビン・マグヌッセン(ハース)には、わずか1秒364差で追いつけなかった。

 しかし、週末を通して大きな飛躍を遂げ、今回も車の力をフルに引き出してポイント圏内に肉迫した22歳のドライビングに、各国のメディアは高評価を下しており、10点満点の採点でも上位勢に劣らぬ高い数字を与えている。

 英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』もそのひとつで、「8.5」とした同メディアは、「また新たな、角田の11位。もはや今季のトレンドとなりつつあるが、この結果はここまで2ポイントを獲得している日本人ドライバーの努力を公正に反映するものではない」と綴り、さらに以下のように続けた。

「予選は貧弱なものとなったが、(9番グリッドから優勝した)マックス・フェルスタッペン(レッドブル)同様に壊滅的な影響を受けることなく、ハードタイヤでスタートし、14周目までに14番手へ浮上。新品のミディアムタイヤを残り20周で有効に活用し、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)とヴァルテリ・ボッタス(アルファロメオ)を追い抜いた。しかし、マグヌッセンにはあと一歩及ばず。今季3度目の無得点を無意味と思うかもしれないが、このようなパフォーマンスと幸運は、最終的に彼に味方するだろう」
  一方、『CRASH』は「角田は惜しくもポイントを逃した。予選では今季初めてチームメイトのニック・デ・フリースに敗れたことで、そのことは彼の総合評価(採点)にも反映されている。しかし、日曜日のドライビングは印象的なものだった」と記述。採点は予選の分を差し引いても、「8」と高かった。『MOTORSPORT WEEK』の採点は「7.5」だったが、こちらも寸評はポジティブなものとなった。
 「今季初めてチームメイトに敗れて予選Q1敗退を喫したものの、決勝ではリカバーし、アルファタウリのポイント獲得に向けて尽力したが、わずかに力及ばず今季3度目の11位フィニッシュに。しかし、ターン14と15のタイトなシケインでジョウ・グァンユ(アルファロメオ)を追い抜いたオープニングラップに、日本人ドライバーは間違いなくこのレースでの良い流れを作った。角田に強力なパッケージがあれば、彼の今季改善された一貫性は、ここまで獲得した2ポイント以上のものを確実に彼やアルファタウリにもたらすだろう」

 英国のスポーツ専門サイト『sportskeeda』は、「マイアミでのユウキのドライビングは、少なくとも1ポイントに値するものだった。日本人ドライバーは、目を見張るほどの進歩を遂げている」と賛辞を惜しまず、「8.5」の高採点。続いてオランダのF1専門サイト『GPBLOG』 も「8」の高評価で、こちらも好意的に角田を評した。

「また新たな11位。土曜日に新たなチームメイトに初めて敗れたが、日曜日には再びアルファタウリを代表する男だった。日本人ドライバーは幾つかの印象的なオーバーテイクを披露し、見る者に感銘を与えた。ミディアムタイヤでマグヌッセンを追ったが、ポイントには届かなかった」

 スペインのF1専門サイト『F1i.com』は「6.5」止まりで、「アルファタウリの両ドライバーは金曜日に苦戦し、ともに下位に沈んだが、角田は少なくともデ・フリースよりは上にいた。しかし、予選ではチームメイトがQ2に進んだのに対し、ショッキングなQ1敗退」と綴り、さらに以下のようにこの週末を振り返っている。

「そして決勝、今度はオランダ人ルーキーがスタートでミスを犯す一方で、日本人ドライバーはすぐに順位を2つ上げてルイス・ハミルトン(メルセデス)の背後に落ち着いた。ピットイン後はアルボンとボッタスをかわしてポイント圏内に近づいたが、前回のバクーでのレースとは異なり、チェッカーを受けるまでに最後の幸運を得ることはできなかった」
  最後に、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、例によって採点ではなく、ランキングで各ドライバーを評価。角田は実際の順位よりも高い「8位」で、寸評ではマイアミでのアップダウンに富んだ週末を総括した。
 「予選Q1では、最後までチームメイトより速いように見えたが、デ・フリースがターン7で0.104秒のアドバンテージを得て優位に立った。角田はグリップ不足を訴えたが、決勝までに自分好みの車のバランスを見つけ出した。激しいファーストラップで15番手に浮上すると、ニコ・ヒュルケンベルク(ハース)をオーバーカットし、ミディアムタイヤに履き替えてからはアルボンとボッタスをパスし、マグヌッセンとわずか1.364秒差でフィニッシュ。全てをやり遂げた週末だったが、報われなかった」

構成●THE DIGEST編集部
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