ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が現地5月9日、本拠地でのヒューストン・アストロズ戦に「3番・投手兼指名打者」でスタメン出場。7回103球を投げ、6安打、7奪三振、3失点の力投を見せたものの今季初黒星を喫し、打っても3打数ノーヒットに終わった。

 大谷は4回まで、アストロズ打線をわずか1安打に抑える快調ぶり。しかし、エンジェルスが1点をリードした5回に捕まった。1死二塁で元同僚のマーティン・マルドナードにフルカウントから6球目のスライダーを左中間に打ち返され、逆転の2ランを浴びたのだ。さらにもう1点を失い、この回だけで3点を失った。

 5回には右手中指を気にする素振りを見せた大谷。試合後、フィル・ネビン監督は「右手中指の爪が割れていた」と明かした。それでも二刀流は6回以降立ち直り、昨年のワールドチャンピオン相手に力のある速球、今季多投するスイーパー、シンカーなどを駆使して強力打線をねじ伏せ、7回まで6安打3失点に抑えた。

 一方のエンジェルス打線は、昨年17勝を挙げた左腕フランバー・バルデスから3回にザック・ネトが放ったソロアーチの1点のみで、わずか3安打と沈黙。大谷もバルデスが繰り出す落差の大きなシンカーに手こずって無安打に終わり、チームは1対3で敗れ去った。
  試合後、大谷は報道陣から割れた指の爪について問われると、「元々ちょっと割れていた」と回答。エンジェルスの地元スポーツメディア『The Sporting Tribune』によると、2回に”野球の神様”と称されるベーブ・ルースの通算501奪三振を超えた場面に関して「(ルースを)超えられたのはいいこと」とコメントし、二刀流プレーヤーとして歴代トップ(通算507奪三振)に立ったことを喜んだ。

 だが、この日のピッチングに対しては「奪三振があまり多くなかった」と話すと、「いいボール、悪いボールがはっきりしていた」と反省を口にした。そして「まだ今年始まったばかりなので、毎回毎回健康な状態で試合に出られるようにしたいと思います」と語り、前を向いた。

 5回以外はほぼ完璧な投球を披露していただけに、元チームメイトに浴びた一発が悔やまれる。とはいえ、今季の投球成績は46イニングを投げて4勝1敗、防御率2.74、66奪三振(リーグ1位)、WHIP0.91と圧巻の数字だ。また打者としても打率.294、7本塁打、22打点、出塁率.362、長打率.515、OPS.877と、こちらも高いアベレージを誇る。

 異次元のプレーを連発し、グラウンド内外で話題を振りまく大谷。元祖二刀流の記録を超えたいま、その存在感をさらに高めたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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