現地時間5月8日に行なわれたプレミアリーグ第35節で、ブライトンはエバートンに1-5の大敗を喫した。

【動画】三笘薫、エバートン戦で終盤のゴールを演出! 降格圏に沈むチーム相手に勝点3が義務付けられていたホームゲームは、しかし開始30秒あまりでカウンターからアブドゥライ・ドゥクレに先制ゴールを許すと、29分にもドゥクレの見事なボレー弾を浴び、さらに35分にもドワイト・マクニールにペナルティーエリア内での突破からクロスを入れられると、これがGKジェイソン・スティールの右足に当たってゴールラインを割るというオウンゴールで、3点差をつけられてハーフタイムを迎えた。

 後半はブライトンが反撃を見せて幾つかのチャンスを創るも、相手GKジョーダン・ピックフォードの好守に阻まれ、逆に76分にカウンターから再びマクニールにしてやられる。79分に右クロスを三笘薫がファーサイドで合わせてポストを叩いたボールがゴール前のアレクシス・マク・アリステルに当たってようやくホームチームは1点を返したが、アディショナルタイム6分にマクニールのゴール上段を射抜く強烈なシュートでダメを押された。

 19節には敵地で4-1の大勝を飾った相手に、それ以上のスコアで雪辱を許してしまったブライトン。今季の1試合における最多失点(最多得点差)を喫し、目標とする来季のチャンピオンズ・リーグ出場から一歩後退することとなった一戦で、三笘は前述の一矢報いた場面で大きな役割を果たした他、惜しいクロス、シュート、そして対峙するネイサン・パターソンをドリブルでかわす場面も見られたが、それ以上にアウェーチームのマークに苦戦する姿も目立った。

 クラブの公式サイトは、日本人アタッカーのプレーについて「パターソンを2度、簡単に抜き去った」「三笘がポストに突き刺したボールが、アルゼンチン人選手の頭に当たってゴールに入るという、ちょっとした幸運」「三笘のボレーはゴールライン上で(味方の)レビ・コルウィルに命中するという不運」と伝えている。
  現地メディアの報道では、英国公共放送『BBC』がブライトンのゴールを「ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームは、ハーフタイムに 4人を一気に交代したことで大幅に改善されたが、エバン・ファーガソンとマク・アリステルの惜しい場面の後、三笘のスライディング シュートがポストに跳ね返ってマク・アリステルに当たり、最終的に安堵の慰めを得ることができた」と綴った。
  一方でパターソンとの対決については、「三笘の脅威はほぼ無効にされた」とネガティブな評価。なお、同メディアの視聴者による10点満点の採点では、チーム5番目で「4.64」という厳しい数値に……。一方、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は及第点の「6」を与えたが、これは交代出場のソリー・マーチ(7)に次ぐチーム2番目タイの評価である。日刊紙『Daily Mail』も採点は「6」で、こちらはチーム最高タイだった。

 サッカー専門サイト『90min』は、「パターソンを置き去りにすることもあったが、長いシーズンのせいで非常に疲れているように感じられた。シュートがポストをヒットすると、ボールはマク・アリステルにはね返ってゴールネットを揺らした」と評し、やはり採点はチーム最高タイの「6」となっている。

 同採点でも、スタメンでは単独最高としたのがデータ専門サイト『Squawka』で、「ブライトン最大の脅威。守備面では、ホームチームの選手はピッチの至る所にいたが、ゴールを生み出すための唯一のルートが、三笘を経由することであり、実際にこの試合彼らの唯一のゴールにも、彼は大きく関与した」と、寸評も終始ポジティブな内容だった。

 ブライトンの地元メディアでは、『Sussex Live』は「5」と厳しい採点を与え、「左サイドにボールが入るたび、相手にとっての脅威となったことで、序盤はブライトンで唯一合格点の選手にも見えたが、時間が進むにつれてパターソンが幾つかのデュエルで勝利を収めていった。三笘は戦い続けたが、今、より厳しい時期を迎えている」として、疲労や相手の対策などの問題に日本人アタッカーが直面していることを強調している。
  一方、『Sussex Express』は「ブライトンで最も驚異的な選手。チーム唯一のゴールに繋がったのは、彼のポストにはね返されたシュートだった。また、素晴しいボレーを放ったが、軌道上にいたコルウィルが素早くポジションを調整できなかったことで、決めることができなかった」と賛辞を贈る一方で、「粘り強いエバートンDF陣相手には困難さが感じられた。相手の先制点の場面では、ボールを与えてしまった」とネガティブな記述も。採点はチーム2番目ながらも、やはり「5」止まりとなった。
  失点時のプレーに注目したメディアは他にもあり、日刊紙『The Guardian』は、エバートンが勝点3奪取で降格圏を抜け出した(19位から17位に浮上)ことを伝える中で、「エバートンがうまく実行した先制ゴールは、ブライトンが自分たちでもたらしたものであり、三笘がパターソンを中盤でスピンさせようとしてボールを失ったことが大きかった」と指摘している。

 また、ブライトンのクラブ専門サイト『WE ARE BRIGHTON.COM』も、「アルビオンは90分間、珍しく悪夢に見舞われたが、それはキックオフからのプレーで、エバートンが三笘からボールを奪って前に出た時、抜け出したドミニク・カルバート=ルーウィンによってターンされたことから始まった」と、三笘の関与についても言及している。

構成●THE DIGEST編集部
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