5月14日(日本時間15日、日付は以下同)、ボストン・セルティックスとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるイースタン・カンファレンス・セミファイナルの第7戦が行なわれ、第3シードのシクサーズは敵地TDガーデンで88−112と大敗。シリーズ成績3勝4敗となり、カンファレンス決勝まであと一歩届かず今季終了となった。

 このシリーズ、シクサーズはジョエル・エンビード不在ながらもジェームズ・ハーデンの活躍で初戦を制し、ホームコート・アドバンテージを奪うことに成功。2勝2敗で迎えた第5戦もモノにしたことで先に王手をかけたものの、ホームでの第6戦を落とし、最終戦も大敗と悔しい結末となった。

「私は、このチームは正しいグループだと思っていた。この1年間、素晴らしいプレーをしていたんだ。だがこの敗戦によって、今シーズンの我々の評判を落とすことになってしまう……。

 私はチームが正しい方向へ向かっていたと見ている。新たなステップへ踏み出したんだ。でも、これでまた一歩後退してしまった。だがそれでも構わない。そういうことだって起こるものなのさ」
  試合後、このようにコメントしたドック・リバースHC(ヘッドコーチ)。今季のシクサーズはイースト3位の54勝28敗(勝率65.9%)を記録し、エンビードが初のシーズンMVPに輝くなど、“今年こそ”という思いが強かったはずだ。

 来季もチームに戻ってきたいかと記者から聞かれた指揮官は「あぁ、そうだね。私には(契約が)まだ2年間残っていると思う」と口にしていた。

 そんなリバースHCについて、エンビードは「コーチは素晴らしいね。俺の意見としては、彼は最高の仕事をしてくれた」。ハーデンも「俺たちの関係は良好だ」と話していたことから、フロントが解任しない限り、来季もリバースがチームを率いることになる。

 シリーズ終了後、エンビードは「俺1人じゃ勝てない。俺とジェームズだけでも勝てないんだ。バスケットボールは5対5のスポーツだから」と、チームメイトたちの奮起を促すような言葉を残していた。
  ただ、第7戦に関しては、エンビードとハーデンが戦犯扱いされてもおかしくはない。天下分け目の大一番、前者はフィールドゴール成功率27.8%(5/18)の15得点に8リバウンドと不発。後者もフィールドゴール成功率27.3%(3/11)の9得点に6リバウンド、7アシスト、2スティールとショット不振に陥ったからだ。

 一昨季にミルウォーキー・バックスで優勝し、昨季はマイアミ・ヒートでカンファレンス・ファイナルを経験したPJ・タッカーは「俺たちはすごくタフでもなければ、フィジカル面も、感情面でもタフじゃなかった。十分じゃなかったということ」と指摘。

 チーム最多の19得点をあげたトバイアス・ハリスも「僕たちにはメンタルタフネスが欠けていた」と話していることから、チームとしての成熟度、強度、タフさといったことが敗因になったと見るべきなのかもしれない。
  オフを迎えるシクサーズは、リバースHCの去就だけでなく、来季の契約がプレーヤーオプションのハーデンの動向も次のシーズンに向けたカギになるだろう。今夏に34歳を迎える元MVPは、オプションを破棄すれば完全FA(フリーエージェント)になる。

 今夏のプランについて聞かれたハーデンは「まだ考えてもいない。俺はただ、(優勝を)競い合えるチャンスが欲しいだけ」と答えていることから、チームが戦力ダウンでもしない限り、再契約あるいはオプション行使で来季も在籍する可能性もある。

「俺たちにはまだ成し遂げていない仕事がある。俺たちはまだ何も勝ち取っていないし、勝ち切るチャンスがあると思っている。俺たちには勝つために必要な要素がある。……俺は今でも、自分と彼(ハーデン)には勝つチャンスがあると信じている」

 エンビードはこう語ったが、6年間で5度目となるカンファレンス準決勝敗退という結果を首脳陣はどう受け止めているのか。オフの動向に注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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