「彼は必要な調整をしない」名手ウォーレスがリバースHCに“ダメ出し”「成功を収めたのはボストンだけ」<DUNKSHOOT>
プレーオフのカンファレンス準決勝でボストン・セルティックスに敗れてシーズン終了となったなか、かつて指導を受けた元オールスター選手のラシード・ウォーレスがリバースHCの手腕に疑問を呈している。
2020−21シーズンからリバースHCを招聘したシクサーズは、昨季途中にリーグ屈指の攻撃的ガードであるジェームズ・ハーデンを獲得。大黒柱ジョエル・エンビードとの強力デュオで1983年以来となるNBAタイトルを目指した。
コンビ結成2年目の今季はエンビードがリーグトップの平均33.1点、10.2リバウンド、4.2アシスト、FG成功率54.8%で初のシーズンMVPを受賞。ハーデンが平均21.0点、リーグトップの10.7アシスト、タイリース・マキシーが平均20.3点と続き、レギュラーシーズンは54勝28敗でイースタン・カンファレンスの第3シードを獲得した。
プレーオフでは1回戦でブルックリン・ネッツに4連勝を飾り、カンファレンス準決勝へ駒を進めたが、昨季NBAファイナルに進出したセルティックスに先に王手をかけながら第6戦、7戦と連敗。シリーズ3勝4敗で無念のシーズン終了となった。
プレーオフ敗退から2日後、チームはリバースHCを解任。バスケットボール運営部門代表のダリル・モーリーは、「ドックはNBAの歴史で最も成功したコーチの1人で、非常に尊敬している。ここでの3シーズンで彼がしてきたすべてをありがたく思っているし、フランチャイズに重要な影響を与えてくれたことに感謝する。シーズンを振り返る機会を経て、優勝を競う目標をさらに推し進めていくために、一定の変更が必要と判断した」と説明していた。
2009−10シーズンにセルティックスでリバースHCに師事したウォーレスは自身のポッドキャスト『That's What Sheed Said』で、HC通算勝率59.0%(1097勝763敗)、1999-2000シーズンには最優秀コーチ賞を受賞し、08年にはセルティックスを優勝に導いた61歳のリバースに関して、「彼は必要な調整をしない」と厳しい見解を突き付けている。「1シーズンの間、ロッカールームで見ていただけだが、俯瞰的に見て俺はすべてを把握している。大事な勝負所で調整しない、それが彼(リバースHC)の最大の欠点だ。15点、20点と大きくリードしている時はコーチングする必要はそこまでない。
優秀なコーチが率いるチームと対戦し、窮地に立たされた時、オールスタークラスの選手だけでなく、オールスタークラスのコーチが必要になる。俺に言わせると、ボストンではディフェンスはトム・シボドー(現ニューヨーク・ニックスHC)とケビン・イーストマンが回していた。彼は事実上、オフェンス・コーディネーターの役割を少し担っていただけだ」
リバースHCはこれまでオーランド・マジック、セルティックス、ロサンゼルス・クリッパーズ、シクサーズで指揮を執ったが、ファイナルに2度出場したセルティックス時代を除いては、カンファレンス決勝にさえ駒を進められていない。ウォーレスは、セルティックスではサポートスタッフに恵まれていたと指摘した。
「この問題を解消して成功を収めたのはボストンだけだった。彼の元には優れたオフェンス・コーディネーターと優れたディフェンス・コーディネーターがいた。だから、攻撃と守備、両方をやらなければいけない状況ではなかった。フロアでは、ロッカールームのマネージャー以上の存在でなければならないんだ」
リバースが再びNBAのチームを率いることはあるのか、そしてウォーレスが指摘する“弱点”を克服することができるのか、注目が集まる。
構成●ダンクシュート編集部
「まるでマジックとウォージー」レブロンから八村塁の豪快ダンクにファン熱狂!日本人初のカンファレンス決勝へ<DUNKSHOOT>
「全てがハイレベル」八村塁が同僚レブロンに脱帽。レイカーズ大黒柱の”プロ意識”に敬意「間近で見れるのは素晴らしいこと」【NBA】
「王朝は終わった」パーキンスがグリーンの主張を一蹴「ウォリアーズはデュラントがいない状態でレブロンに勝っていない」<DUNKSHOOT>