今季、チーム史上初となるウエスタン・カンファレンスのトップシードを獲得したデンバー・ナゲッツ。プレーオフでは1回戦でミネソタ・ティンバーウルブズを4勝1敗、カンファレンス準決勝でフェニックス・サンズを4勝2敗で撃破。

 そしてレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビス率いるロサンゼルス・レイカーズとのカンファレンス決勝。チームは苦しみながらもホームで連勝スタートを飾り、5月20日(日本時間21日)に敵地で行なわれた第3戦も119−108で制し、シリーズ3連勝を飾った。

 この勝利でナゲッツはフランチャイズ史上初のNBAファイナル進出に王手をかけた。これまでチームは1978、85、2009、20年と、カンファレンス・ファイナルへ4度進出しているが、シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)に敗れた78年を除く3度はいずれもレイカーズに敗れてファイナル進出を逃してきただけに、今年は絶好のチャンスと言っていいだろう。

 もっとも、第3戦の勝利後にナゲッツの選手たちが“あと1勝”と口にすることはなかった。2試合連続で37得点の大暴れを見せたジャマール・マレーは「チャンピオンシップを勝ち取るためには16勝が必要なんだ。僕らはあと5勝しなければいけない」と話し、あと1勝してシリーズを制し、ファイナルで4勝することを見据えていた。
  就任8年目のマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)も「ウエスタン・カンファレンス・ファイナルを勝ち上がることがゴールということは決してなかった。ゴールはNBAのチャンピオンシップを勝ち取ることなんだ」と語っていた。

 レイカーズとのシリーズで、マレーは両チームトップとなる平均35.0点に7.3リバウンド、5.3アシスト、3.0スティールと絶好調。相棒のニコラ・ヨキッチも平均トリプルダブル(27.0点、14.7リバウンド、11.3アシスト)に1.3スティールと、生え抜きの主軸が申し分ない働きを見せている。

 さらに今季から加入したケンテイビアス・コールドウェル・ポープが15.3点、2.7リバウンド、1.3スティール、ブルース・ブラウンが14.3点、4.7リバウンド、3.3アシストと見事な活躍を見せているほか、マイケル・ポーターJr.が15.0点、9.0リバウンド、3.7アシスト、アーロン・ゴードンが9.7点、3.3リバウンド、3.0アシストと、それぞれが役割を忠実にこなしている。

 20年のカンファレンス決勝から3年、当時ファイナル進出を阻まれたレイカーズをわずか3試合で追いつめたナゲッツ。明日の第4戦に勝利し、頂上決戦への切符を手にすることができるか。

文●秋山裕之(フリーライター)

「俺1人じゃ勝てない」セルティックスに大敗を喫したエンビードが嘆き。ハーデンは今夏の去就について「ただ優勝のチャンスが欲しい」<DUNKSHOOT>

「王朝は終わった」パーキンスがグリーンの主張を一蹴「ウォリアーズはデュラントがいない状態でレブロンに勝っていない」<DUNKSHOOT>