現地5月22日、ロサンゼルス・レイカーズとデンバー・ナゲッツの西カンファレンス決勝第4戦が行なわれ、ナゲッツがレイカーズを113-111で下した。シリーズ4連勝を飾り、初のファイナル進出を決めた。

 3連敗で崖っぷちに立たされたレイカーズは、八村塁が今プレーオフ初めてスターティングメンバーに名を連ねた。25歳の日本人は41分57秒プレーして10得点、7リバウンド。大黒柱でエースのレブロン・ジェームズに次ぐ出場時間を得た。

 第1クォーター残り9分には、左サイドのライン外でパスを受けると、ゴール下へと鋭くドリブルで切れ込み豪快なダンクを決めるなど、随所で存在感を発揮した。前半はレイカーズペースだったが、後半になるとナゲッツに主導権を握られる展開に。相手エースのニコラ・ヨキッチをマークするなど、八村は守備でも奮闘したが、悲願のファイナル進出を狙うチームが、じりじりと地力の差を見せつけ終盤に逆転。接戦を制した。

 ナゲッツに4連敗を喫し、終戦を迎えたレイカーズ。NBA4年目の八村は今季途中にワシントン・ウィザーズから移籍し、攻守で効果的な働きを見せた。トレード補強が功を奏し、シーズン後半から一気に巻き返したチームは第7シードでプレーオフへ進出。八村ら新戦力とレブロン、アンソニー・デイビスらスーパースターが融合し、西カンファレンス・ファイナルまで駆け上がった。
  現地では早くも、レイカーズの来季チーム構想に注目。なかでも、今夏に制限付きフリーエージェント(FA)になる八村の去就について、熱視線を送るメディアも少なくない。

 まず、米スポーツ専門局『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は米ポッドキャスト番組内に出演。八村の去就について、興味深い発言をしたようだ。同氏は「ルイ・ハチムラとオースティン・リーブスの二人は今オフ制限付きFAだ」と指摘したうえで、「レイカーズが両者と契約しないシナリオは全く想像できない」と断言。「レイカーズは、二人と契約せざるを得ない」などと語り、来季も黄色いユニホームを着てコートに立っていると持論を述べたという。

 もうひとつ、米老舗スポーツ誌『The Sporting News』は「来シーズンに向けて、レイカーズは有望な若いピースをいくつか見つけることができた」と言い、「そのうちのひとりがルイ・ハチムラで、彼はプレーオフで大ブレイクした。今シーズンの年俸630万ドルから大幅な昇給を果たした」と八村の加入は大きな成果だったと評価した。

 一方で、「ハチムラは、どのようなオファーを受けるかによって、ほかの球団に行く可能性が十分にある」と同誌は移籍の可能性を否定しない。「ハチムラは、NBAで多くの異なるチームで質の高いスターターとなる可能性がある。そのようなタイプの選手の平均年俸は、約1000万ドルから2000万ドルになるだろう」と論じる。

 続けて、「来季のサラリーが1220万ドル以下からスタートするなら」と仮定したうえで、サクラメント・キングス、ニューヨーク・ニックス、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ポートランド・トレイルブレイザーズの4球団を候補に挙げた。

 とはいえ、同メディアも「最も可能性が高いのは、レイカーズに来季も残るだろう」と残留を予想。約4か月を過ごした名門クラブを八村が出ていく可能性は低いと見ている。「ハチムラがチームを変えることができるのは、レイカーズが他チームからの契約オファーに応じないことで、それを可能にすることを選択した場合のみだ」と綴り、記事を締めた。

 今季NBAのコートに大きな足跡を残した八村。この25歳の日本人プレーヤーから来季も目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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