F1第7戦のスペイン・グランプリは現地6月3日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は15番手となった。
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 フリー走行3回目では16周回で全体9番手となる1分14秒659のベストタイムを計測した角田は、迎えた予選、Q1では先陣を切ってタイムアタックに臨むも、降り出した雨によってスピン。タイヤを替えてコースに戻ると、今度はヴァルテリ・ボッタスのスピンで赤旗が出されてセッションが中断となる不運で、多くのタイヤセットを使用せざるを得ず、最終アタックで14番手となって、なんとかQ2進出を果たした。

 そしてソフトのニュータイヤを使い切った状態で臨んだQ2では、最後に11番手につけたものの、ターン5でトラックリミット違反を犯したため抹消されるなど、全体的に流れの悪さが目立つ予選となってしまった。セッション終了後、彼はチームの公式サイトを通して、以下のように声明を発している。

「チームは良い仕事をしてくれたし、良いラップでしたが、コースをはみ出すミスで、タイムを抹消されてしまいました。自分自身にフラストレーションを感じていますが、Q3進出のためには全力を出す必要があったので、後悔はありません。本当にわずかな差だったと思います。路面がダンプ状態からドライに変わるというトリッキーなコンディションのなか、状況の変化は興味深いものでした」

 そして決勝に向けては、「過度な期待を持つことはありませんが、なんでも起こり得るので、ポイント獲得のチャンスを最大限まで高めるため、あらゆるシナリオに備えます」と、楽観的な姿勢は微塵も見せなかったものの、目標に向けて全力を尽くすと23歳は約束した。
  また、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、角田のコメントをこう紹介している。

「コースはかなり変化し続けたので、すぐに適応する必要があり、同時に常に全力を尽くした上で、状況を見極めなければなりませんでした。最後に、大きなスナップによってターン5でトラックリミット違反を犯してしまいました。それでも、チームは良い仕事をしたと思います。(抹消されたタイムは)レッドブル(セルジオ・ペレス)とメルセデス(ジョージ・ラッセル)を上回っており、その点は少し良かったと思います」
  チームはSNSで、チームメイトのニック・デ・フリース(8番手)とともにダブル通過となったQ1では「素晴らしいラップ!」と称賛し、ともに脱落(デ・フリースは14番手)となったQ2では「悔しいセッション」と投稿。そして「簡単な1日ではなかった」と予選を振り返りながら、「求めていた結果ではなかったが、明日に向けて戦うペースはある」と、決勝には期待を寄せた。

 また、マシン・パフォーマンスの責任者であるギョーム・ドゥゾトゥは、「Q2でのユウキのラストラップは非常に力強かったが、残念ながらトラックリミット違反で取り消されてしまい、彼にとっては悔しい結末となった。しかし、昨日、今朝とバランスに苦しんでいただけに、このラップには彼も満足しているだろう」とのコメントを残している。

 現地メディアの報道では、フランスのモータースポーツ専門サイト『Motorsport NEXTGEN-AUTO.com』が「混乱に満ちたバルセロナでの予選。アルファタウリのドライバーたちはミスで自身を目立たせた」と題した記事において「デ・フリースと角田は、Q1で多くのミスを犯したにもかかわらず、ともにQ2進出を果たしたことは驚きである」と綴った。

 一方、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「ユウキとニックにとっての難しい予選。ふたりのアルファタウリ・ドライバーは、湿ったコースによるミスの犠牲となった。日本人ドライバーはQ3進出に失敗したが、それでもポイント圏内でのフィニッシュが最終目標であることに変わりはない」と報じている。

『THE RACE』は、トラックリミット違反でタイム抹消をエンジニアから無線で知らされた際の、角田の反応に注目。デビューイヤーから、無線での「罵声」が話題となることが多く、モナコGPにおいても「クラッシュさせる気か」と言い放つとニュースにもなった彼だが、今回は「何?」と訊いた後、その後の口調は穏やかなものだったという。
  同メディアによれば、予選後にこれについて訊かれた角田は「僕は叫びましたか? それほどでもないですよね?」と回答した後、「自分が叫んだことがとても悔しいです。僕が一番改善したいことですから」と冗談っぽく語り、「僕は感情をコントロールしていますが、まだ(声の)ボリュームという点で改善の余地があります。どれぐらい声が大きかったか気になりますが、結局のところ、頭がオーバーヒートしてしまうからです。でも、少しならOKでしょう」と続けた。

構成●THE DIGEST編集部

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