現地6月4日に行なわれたテニス四大大会「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦で信じられない事態が発生した。マリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)と対戦した第16シードの加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)が、第2セット途中で失格処分を科され、ベスト8入りを逃した。

 1、2回戦をいずれもストレートで勝利してベスト16に駒を進めていた加藤/スチアディはこの試合、ボウズコワ/ソリベストルモを相手に立ちあがりから互角の勝負を展開し、互いに2つのブレークを奪い合ってタイブレークに突入。だがここではわずか1ポイントしか奪えずに第1セットを落としてしまう。

 問題のシーンは3−1とリードしてリターンゲームを迎えた第2セット第5ゲームだった。30−15の場面でスチアディがリターンをミスした直後に、加藤が相手コート側へ軽くボールを打ったところ、サービス用のボールを相手ペアに渡そうとスタンバイしていたボールガールの頭部に直撃してしまった。
  ボールガールが泣き出したのを見たボウズコワ/ソリベストルモがその旨を主審に伝えると、試合は一時中断され、まず主審は加藤/スチアディに警告を言い渡した。その後加藤はボールガールに謝罪。ボールガールは目を涙で真っ赤にしながら「大丈夫だよ」と答えたものの、しばらく経ってから一時退場という形でコートを立ち去った。この最中に加藤とスチアディはコートに入ってきた大会スタッフと主審に事情を詳しく説明した。

『ロイター通信』によると当初主審は「加藤は故意にボールを打ったわけではなく、ボールガールもケガをしたわけではない」として警告だけにとどめるつもりだったという。だが加藤が打ったボールがボールガールに直撃した瞬間を見ていなかったボウズコワとソリベストルモが「ボールガールは泣いている。彼女は血を流している」などと異議申し立てを行なうと、主審はボールガールと話した後に当初の警告を覆し、加藤/スチアディへ危険行為による失格を宣告。ショックのあまり涙を流した加藤はスチアディに慰められながらコートを後にした。
  なお『UBITENNIS』は四大大会のルールブックにおいて「ボールを打つ危険行為」の項目に記載されている内容を次のように抜粋している。

①故意にコートの外にボールを打つこと
②コート内で危険かつ無謀にボールを打つこと、または(危険を及ぼすという)結果を軽視してボールを打ったりすること

 おそらく今回のケースは②に当てはまったと考えられるが、一方で主審がボウズコワ/ソリベストルモの主張を考慮してすぐさま警告を覆した点は非常に不可解である。いずれにせよ失格という形での敗退はあまりにも残酷な結末だ。
  加藤は現地4日夜に自身のツイッター(@miyukato1121)を更新。ボールガールやパートナーのスチアディ、応援してくれているファンへの謝罪の言葉を綴るとともに、失格処分に伴う追加制裁を課されたことを明かした。

「本日の不幸な出来事により、ボールガール、パートナーのアルディラ(スチアディ)と彼女のチーム、そしてファンの皆様に心からお詫び申し上げます。全く意図的なものではありませんでした。結果的に全仏主催側から今大会で獲得した賞金とランキングポイントを没収されるというペナルティを受けることにもなりました。これからも応援よろしくお願いします!」

 なお加藤はティム・プエッツ(ドイツ)とのペアで混合ダブルスにも出場しており、1、2回戦でストレート勝利を収めてベスト8に進出している。今は本当に気持ちの整理が難しいかもしれないが、何とか切り替えて残る戦いに臨めるよう願うばかりだ。

文●中村光佑

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