「NBAがどれだけの金を失うかわかる?」プレーオフでのビッグマッチを望むリーグの“思惑”を元選手が推測<DUNKSHOOT>
そしてリーグ側も、NBAがビジネスである以上、スタープレーヤーたちが激突するビッグマッチを望んでいるのは理解できること。その“リーグ側の思惑”について言及したのが、ギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)がホストを務めるポッドキャスト番組『No Chill with Gilbert Arenas』にゲスト出演したエバン・ターナーだ。
ターナーが回想したのは、2012年のプレーオフ。この時、マイアミ・ヒートが待ち受けるイースタン・カンファレンス決勝への切符をかけて、同準決勝でターナーが在籍したフィラデルフィア・セブンティシクサーズと、ボストン・セルティックスが第7戦までもつれる激闘を演じていた。最終的にセルティックスが第7戦を制しイースト決勝行きを決めたが、その裏でリーグの“思惑”があったのではないかと推測したのだ。
「2012年の第7戦を思い出すよ。レブロンとヒートが待っていて、シクサーズとセルティックスのどちらが彼らと対戦するのを観たいか?正直言って、僕はそのチームにいたけど、シクサーズとヒートの対戦を観たいなんて思わなかった。もしこのカードになったら、NBAがどれだけの金を失うかわかる?僕らが勝利したければ、15点差をつけなければならなかった」
当時のヒートにはレブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュのビッグ3が在籍し、セルティックスもポール・ピアース、ケビン・ガーネット、レイ・アレン、ラジョン・ロンドら多数のスーパースターを擁していた。
一方でシクサーズには、ターナーやアンドレ・イグダーラ、ルー・ウィリアムズ、ドリュー・ホリデー、エルトン・ブランドら実力者が揃ってはいたものの、スーパースターと呼べる選手はおらず。セルティックスとシクサーズ、ヒートと戦った際にどちらが盛り上がるかと言えば、セルティックスと言わざるを得ないだろう。
結果としてセルティックスとシクサーズの最終戦は、セルティックスが85−75で勝利。そして続くヒートとのイースト決勝も第7戦までもつれる名勝負が繰り広げられ、チケット代は高騰、テレビ視聴率も絶好調だったわけだが、ここにリーグの思惑があったのではないかとターナーは指摘した。
はたして今季のプレーオフやファイナルでは、ターナーが言う“リーグが希望するビッグマッチ”は実現するのか。
構成●ダンクシュート編集部
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