現役時代に名シューターとして名を馳せたレイ・アレンは、数々の価値あるショットを沈めた。そのうちのひとつが、2013年のマイアミ・ヒートvsサンアントニオ・スパーズのNBAファイナル第6戦の同点3ポイントだ。

 最終的にヒートの2連覇を呼び込むことになる一撃のサイドストーリーを、当時スパーズに所属していたダニー・グリーンが振り返っている。

 グリーンはNBA14年間のキャリアで、2014年にスパーズ、19年にトロント・ラプターズ、20年にロサンゼルス・レイカーズでリーグ優勝を経験。ティム・ダンカンやトニー・パーカー、マヌ・ジノビリ、カワイ・レナード、レブロン・ジェームズといったスターたちを3&Dとして支えてきた。

 元NBA選手のギルバート・アリナスがホストを務める『Fubo Sports』の番組『No Chill』に出演した際、グリーンは「最悪の敗戦はどれかと言われたら、あの試合(2013年のNBAファイナル第6戦)だ。レイ・アレンのショットは僕の歴史の多くを変えた」と振り返った。

 スパーズが3勝2敗と優勝に王手をかけて迎えた第6戦、第4クォーター残り1分を切って95−92とリードを奪っていたが、残り5.2秒でヒートのアレンに右コーナーからタフな3ポイントシュートを沈めて延長戦に持ち込まれ、スパーズは3点差で敗れた。
 「レイ(アレン)がシュートを決めた後、私たちは攻めようとした。でも、レフェリーが試合を止めた。彼らにはタイムアウトもなかった。レフェリーは試合を中断して、シュートが3ポイントかどうかをレビューで確認したんだ。3、4秒はまだ残っていた。

 みんな覚えているかどうか分からないけど、ポップ(グレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチ)はサイドラインで大騒ぎしていた。私たちにもタイムアウトがなかった。相手が喜んでいる中で、早く攻めようとした。4、5秒あれば、相手のコートまで行けるし、たぶんいい結果が得られていただろう」

 千載一遇のチャンスを逃したスパーズは結局、第7戦も落とす形になり、シリーズ3勝4敗でヒートの前に涙を呑んだ。

「最終的に、私たち(スパーズ)は素晴らしいグループで、いいプレーをしていた。自信を失ったわけではない。でも、彼ら(ヒート)から何も奪うことはない。彼らはとんでもないシリーズを繰り広げた。

 私たちのオフェンスが少し停滞したこともあったし、上手くいかないことがいくつかあった。バスケットボールの神様は彼らの味方をした。シリーズに勝ったんだからね。彼らはいいプレーをしたし、私たちはフリースローを何本か失敗し、取れるはずのリバウンドも取れなかった」

 レブロン、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュのビッグ3を擁するヒート相手に、もし第6戦で決着をつけることができていれば――。グリーンはキャリアを振り返るうえで今後もそんな思いに駆られるかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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