投手陣の崩壊に嘆きが止まらない。

 現地8月29日、ロサンゼルス・エンジェルスはフィラデルフィア・フィリーズと対戦。大谷翔平は11試合ぶりの猛打賞で2打点をマークする活躍を見せるも、チームは7対12で完敗を喫し3連敗。借金は今季ワーストの「7」にまで膨らんだ。

 フィリーズ強力打線の一発攻勢にやられた。先制点を奪った直後の2回裏、ブライス・ハーパーに右翼スタンド2階席を直撃する特大ホームランを打たれ同点。エンジェルスが勝ち越した直後の3回裏は、カイル・シュワーバーの37号ソロ弾で再びフィリーズが2対2に追い付いた。

 その後はルイス・レンヒーフォのソロ、大谷の適時打でエンジェルスが2点を加えてリードを広げたが、6回が魔の回だった。先発タイラー・アンダーソンが先頭打者にヒットを許すと、2回に一発を放っているハーパーとの勝負を避けて申告敬遠。無死一、二塁でアレク・ベームと対峙したが、2球目のチェンジアップを捉えられる左越え逆転3ラン。悪夢の展開にフィル・ネビン監督も唖然。さらに2番手ホセ・ソリアーノも3点を加点され、この回だけで一挙6点を奪われた。

 さらに回またぎで7回に登板した3番手ハイメ・バリアが、勢いに乗ったフィリーズ打線を止められず、ブライソン・ストットに14号2ラン、8回にはトレイ・ターナーにトドメの18号ソロアーチを打たれ4失点。フィリーズに計5本の花火を献上する失態を演じた。
  無惨な姿を露呈したエンジェルス投手陣に、現地メディアからは厳しい声が上がっている。米データ分析会社『Codify Baseball』は「エンジェルスはフィリーズに12対7で敗れ、プレーオフ進出の可能性は限りなくゼロに近づいた」と指摘。プレーオフ出場権を争うワイルドカードで12.5ゲーム差に広がったことで、事実上の終戦だと断言している。

 米メディア『The Athletic』の元記者であるブレント・マグワイア氏は自身のX(旧ツイッター)にエンジェルスの敗北を報じるにあたり、興味深い数字を綴っている。

 同氏は過去のエンジェルスの月間得失点をリサーチした。その結果、なんとワースト1位は今年8月(-76点)だった。ちなみに2位は2015年8月(-72点)、3位は2019年9月(-63点)。4位が1969年5月(-61点)のため、ワースト3が8年間ポストシーズン進出を逃し続けている間に刻まれている。不名誉な記録を更新したことに同氏は「エンジェルス史上最悪の月間得失点差だ」と吐き捨てた。

 試合前には球団から主力選手のウェーバー公示が報道され、完全に覇気がなくなった雰囲気のエンジェルスベンチ。来季を見据えて現状のチームを解体し、若手育成に舵を切った球団に大谷の居場所はあるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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