レンタルで加入間近のアンス・ファティと三笘薫の共存は!? ブライトン専門メディアは「メッシと同じ変革」を期待!
移籍専門記者ファブリツィオ・ロマーノ氏によれば、「買い取りオプションはなし」「2024年6月までのレンタル」「サラリーの大部分はレンタル先クラブから支払われる」とのこと。このスペイン代表選手には、プレミアリーグではトッテナムらも関心を寄せていたというが、ファティ自身がブライトンのサッカーに感銘を受け、すでにロベルト・デ・ゼルビ監督とも直接話して口頭合意に至ったという。
ファティといえば、バルセロナの育成組織「ラ・マシア」では久保建英(現レアル・ソシエダ)らと切磋琢磨し合ったエピソードが有名であり、2019年のプロデビューから、国内外の舞台で多くの最年少記録を樹立。そして前述の通り、リオネル・メッシがパリ・サンジェルマンに新天地を求めてからは、エースナンバーを十代にして委ねられるなど、高い期待を寄せられていた逸材だ。
しかし一方で、その短いプロキャリアの中で大きな怪我を経験。2020年11月に半月板損傷で約1年間も戦線を離脱した他、一昨季にもハムストリングを2度負傷し、4か月間もプレーから遠ざかることを強いられた。
昨季は怪我なしで乗り切り、ラ・リーガで36試合(先発出場12試合)出場・7得点、公式戦全体では51試合出場・10得点と、キャリアハイの数字を記録したものの、周囲の期待に応えたとは言い難く、コンディション不良もあってか躍動感が失われたプレーに失望を味わった者も少なくなかったようだ。
そして今季は、開幕から3試合で途中出場を余儀なくされるなど、序列の低下が顕著になっていた中で、放出候補とも報じられた彼の去就にも注目が集まるようになっていた。そんな中での今回の動きに、ブライトンの地元紙『The Argus』は、「ブライトンは通常、レンタルでの戦力補強を好まないが、MFフリオ・エンシソが膝を負傷したこともあり、クラブは別の攻撃的オプションを必要としていた」と、背景を説明している。 ブライトンのクラブ専門サイト『WE ARE BRIGHTON.COM』は、「ファティがまだ20歳であり、依然として世界のサッカー界で最も注目を集めている若手選手のひとりとみなされていることを考えれば、買い取りオプションなしのレンタル移籍は驚くべきことではない」との見解を示した。
また同メディアは、「ファティが怪我の問題を抱え、少し道に迷っているのは疑いの余地がない。ブライトンにとっての今の課題は、彼をベストに近い状態に戻すことだ。正直なところ、彼の能力の50%でも引き出すことができれば、契約する価値は十分にあるだろう」とも綴っている。
そして、ファティのバルサでの主要ポジションが左サイドであったことから、同ポジションで抜群の存在感を示している三笘薫にどのような影響が及ぶかに注目する者も少なくない。同メディアはこの新戦力の起用について、デ・ゼルビ監督に対してある期待と興味を寄せている。
「ファティは、キャリアの大部分を左サイドでプレーしてきた。これは、三笘との直接対決を生み出すように思われる。果たして、デ・ゼルビ監督がファティをどの位置に配置するかは非常に興味深いが、このイタリア人指揮官がエンシソに代わるナンバー10として、ファティを再発明する可能性はあるだろうか?」
「メッシ自身も同じような“変革”を経験し、ウインガーから背番号10、または偽9番になったのは、ファティの現在の年齢と同じ頃である。もし、デ・ゼルビ監督とブライトンが、長く『メッシの後継者』と呼ばれてきたファティを、真の後継者に変えるクラブになるとしたら、それは大きな驚きとなるだろう」
同メディアは最後に、チェルシーなどの割り込みによって土壇場で破談になる可能性も示唆しながらも、「アルビオンがそのような案件に関わっているという事実は、クラブとして過去2年間でどれだけ進化してきたかを示している。パトリック・マッコートを2014年夏の移籍市場で“大物選手”として獲得した時代とはほど遠いものがある」と感慨深く記事を締めているが、果たしてこのディールがブライトンに何をもたらすことになるのか、今後の動向を見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】ラ・リーガ選定!昨季のアンス・ファティTOP5ゴール
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