【日本 80−71 カーボベルデ|採点&寸評】“和製カリー”富永啓生が復活!渡邊雄太&ホーキンソンは決死のフル出場で大一番に勝利<DUNKSHOOT>
日本 80−71 カーボベルデ
日本 |17|33|23|7|
カーボベルデ |19|18|18|16|
【日本代表|チーム採点】
3.5
勝てばアジア最上位でパリ五輪出場が決まる大一番。序盤から渡邊雄太のダンクなどで先手を取った日本は、第1クォーターを2点ビハインドで終えると、課題の第2クォーターでは河村勇輝、富永啓生の22歳コンビが躍動し33得点の爆発。第3クォーターも勢い止まらず最大20点差をつけた。ところが第4クォーター、日本は7分以上にわたってノーゴールが続き、残り1分12秒には3点差(74−71)まで詰め寄られる。それでもここからジョシュ・ホーキンソンが3点プレーに3ポイントで6連続得点をあげて勝負あり。最後の最後に、今大会を象徴するようなドラマチックな展開を制し、歓喜の輪を作った。
【日本代表|選手採点】
※採点は5点満点、「0.5」刻みで評価。スタッツの最後の項目は、その選手の出場時の得失点差。出場時間10分以下の選手は原則「評価なし」
PG 河村勇輝 4.0
出場時間/28分18秒
14得点・2リバウンド・8アシスト
3スティール・0ブロック・+15
立ち上がりから緩急自在のドライブでペイントアタックを繰り返し、自らの得点や味方へのパスで攻撃の起点に。前半はシュート成功率100%で12得点、7アシスト。後半は数字が伸びなかったが、前線からの激しいプレスに相手ビッグマンの隙を狙う好守備でも、常に敵の脅威であり続けた。
SG 比江島慎 2.5
出場時間/18分24秒
3得点・5リバウンド・3アシスト
0スティール・0ブロック・−8
前戦のヒーローは、この日は黒子役に徹し守備やリバウンドで奮戦。FGは1/6にとどまったものの、残り2分48秒には第4Qチーム初得点となる貴重なフリースローを沈めた。さらに、その後のホーキンソンの3点プレーもお膳立てするなど、後輩たちの活躍を支えた。
SF 馬場雄大 2.0
出場時間/11分08秒
2得点・0リバウンド・1アシスト
0スティール・0ブロック・−2
開始4分半でベンチへ退くなど、前半は見せ場なし。第3Qは速攻から“ババブーン”を炸裂させ、チームの勢い加速に一役買ったが、第4Qは再びベンチから仲間の奮闘を見守った。前戦で負った故障の影響もあったか、存在感・スタッツとも5試合で最も控えめだった。
PF 渡邊雄太 3.5
出場時間/40分00秒
5得点・10リバウンド・0アシスト
1スティール・2ブロック・+9
オーストラリア戦から37分、38分と徐々に出場時間を伸ばし、最終戦でついに40分フル出場。3ポイントは5本放って成功ゼロ、FGは2/11と攻撃面は不発に終わったものの、インサイドで身体を張ってリバウンドを取り続けた。守備では2本のブロック以外にも何度も相手のショットに跳び続け、ゴールを阻止したシーンは数知れず。試合直後の涙がリーダーの重圧を物語っていた。
C ジョシュ・ホーキンソン 5.0
出場時間/40分00秒
29得点・7リバウンド・4アシスト
1スティール・4ブロック・+9
渡邊と並んでフル出場を果たし、得点とブロックでチーム最多、リバウンドとアシストで2位と鬼神のごとき働き。2ポイントが5/6、3ポイントも4/8と高確率なショットに加えて、持ち味のパスも冴えわたり、相手の221cmビッグマン、エディ・タバレスと互角以上の勝負を演じた。劣勢の残り1分からは勝利を決定づける6得点を奪取。この試合を含め、今大会を通じた日本のMVPだ。SUB 吉井裕鷹 3.0
出場時間/24分46秒
2得点・3リバウンド・3アシスト
0スティール・0ブロック・+16
この日もベンチから最初にコートに送り出され、得点にリバウンド、アシストから、スクリーンなど数字に残らないプレーまで自身の仕事を全う。前半に3ファウルを喫し、第3Q終盤に4つ目を吹かれるも、勝負の第4Qで再度起用されると最後のホーキンソンの3ポイントをアシストして期待に応えた。
SUB 富永啓生 5.0
出場時間/18分12秒
22得点・1リバウンド・2アシスト
1スティール・0ブロック・+20
最終戦で“日本No.1シューター”の実力を証明。3ポイントは前の2試合で15本中1本の成功にとどまっていたが、この日は第1Qの登場直後に1本目を決めて波に乗ると、第2Q中盤には70秒間で3本をヒットさせ前半をリードで終える立役者に。第3Qにかけて驚異の6本連続成功、加えてドライブインや速攻のピンポイントパスなど、まさにステフィン・カリーのような活躍ぶりだった。
SUB 富樫勇樹 3.0
出場時間/11分42秒
3得点・1リバウンド・3アシスト
0スティール・0ブロック・−6
ピック&ロールを中心に攻撃を組み立て、ホーキンソンと富永の計3本の3ポイントをアシスト。自身も第3Q登場直後にリードを広げる3点を加え、会場の熱狂を生んだ。14得点をあげたオーストラリア戦以外は本来の爆発力は鳴りを潜めたものの、自身の活躍は二の次にキャプテンとして好ムード作りに努めた。
COACH トム・ホーバス 4.0
5試合を通じて徹底した激しい守備からのハイペースオフェンスにより、今大会初めて前半をリードで終えることに成功。ターンオーバーからの得点で16−10、ファーストブレイクポイントで19−2と、第3Qまでは目指したバスケットが遂行できていた。第4Qは突如としてトーンダウンしたが、原修太や4ファウルの吉井の起用など、ディフェンスで手を抜かず最少失点で切り抜けたことが接戦を勝ち切る要因となった。
取材・文●萩原誠(ダンクシュート編集部)