イタリア代表の新監督に就いたルチャーノ・スパレッティが9月2日、フィレンツェ郊外のコベルチャーノにあるFIGC(イタリア・サッカー連盟)テクニカルセンターで就任会見を行なった。伊紙『Gazzetta dello Sport』が詳細を報じている。

【動画】ザニオーロとレテギがフリーキック対決!

「このような素晴らしい仕事を与えてくれたFIGCに感謝したい。“サッカーの大学”ともいうべきこの場所で、これまで多くの時間を過ごしてきたが、こうして代表監督の就任会見を行なえるのは何事にも代えがたい感動だ。ガブリエレ・グラビーナ会長から最初に電話をもらった時から、わたしはとても幸せを感じている。イタリア代表にとって最高の監督になれるか分からないが、できる限り最高のスパレッティをみせたい」 このように話した新指揮官は、代表チームの“価値”を強調した。「選手たちは、このユニホームを着ることに幸せと喜びを感じなければいけない。代表のユニホームただのユニホームではない。とても重要なものだ。そうした意味を教えてくれた先人のカンピオーネたちがいる。そう、ジャンルカ・ヴィアッリのようにね。彼の魂はいつでも私たちとともにある」

 今年1月にすい臓がんで死去したヴィアッリに代わる形でイタリア代表のチーム団長に就任したのが、2022−23シーズン限りで現役を退いたジャンルイジ・ブッフォンだ。「ジジ・ブッフォンもヴィアッリと同様、選手たちに模範を示すことができ、代表のユニホームを着ることに何の意味があるのか説明できる」と、イタリア代表の最多キャップ数(176)を誇る元GKの働きに期待を込めている。
  グラビーナ会長が「予期せぬ出来事」と称した突然の辞任で、サウジアラビア代表監督に転進したロベルト・マンチーニ前監督については、「2021年のユーロで優勝し、代表の無敗記録もつくって、多くの若い選手を抜擢した」と語り、続けて「イタリアは2大会連続でワールドカップ出場を逃している。その苦い思い出を消し去らなければいけない」と3大会ぶりとなるワールドカップ出場を誓っている。

 どんなチームを作るのかと問われると、「先発メンバーは選手の資質を歪めることなく見極めていきたい。最終ラインは4人で考えてる。ほとんどのセンターバックが3バックでプレーしているとしてもね。そしてボールを奪いにいくチームでありたい。大事な点は、プレッシングとビルドアップだ。うまくプレスをかけてボールを奪い返せば、自分たちのやりたいプレーができるようになる。システムは4ー3ー3が基本だ。もし攻撃のクオリティーがさらに必要ならトップ下の選手を入れて、4ー2ー3ー1に移行することもできる」と語っている。
  イタリア代表は9月9日に敵地で北マケドニアとEURO2024予選を戦い、9月12日にはミラノでウクライナとEURO2024予選を戦う。スパレッティが初陣に向けて招集したメンバー29人は以下のとおり。ラツィオのニコロ・カザーレが初招集となった。

GK:ジャンルイジ・ドンナルンマ(パリSG)、アレックス・メレト(ナポリ)、イバン・プロベデル(ラツィオ)、グリエルモ・ヴィカーリオ(トッテナム)

DF:アレッサンドロ・バストーニ(インテル)、クリスティアーノ・ビラーギ(フィオレティーナ)、ニコロ・カザーレ(ラツィオ)、マッテオ・ダルミアン(インテル)、ジョバンニ・ディ・ロレンツォ(ナポリ)、フェデリコ・ディマルコ(インテル)、ジャンルカ・マンチーニ(ローマ)、アレッシオ・ロマニョーリ(ラツィオ)、ジョルジョ・スカルビーニ(アタランタ)、レオナルド・スピナッツォーラ(ローマ)

MF:ニコロ・バレッラ(インテル)、ブライアン・クリスタンテ(ローマ)、ダビデ・フラッテージ(インテル)、マヌエル・ロカテッリ(ユベントス)、ロレンツォ・ペッレグリーニ(ローマ)、マッテオ・ペッシーナ(モンツァ)、サンドロ・トナーリ(ニューカッスル)

FW:フェデリコ・キエーザ(ユベントス)、ウィルフリード・ニョント(リーズ)、チーロ・インモービレ(ラツィオ)、マッテオ・ポリターノ(ナポリ)、ジャコモ・ラスパドーリ(ナポリ)、マテオ・レテギ(ジェノア)、マッティア・ザッカーニ(ラツィオ)、ニコロ・ザニオーロ(アストン・ビラ)

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】好発進のミラン、プリシックら新加入選手の活躍の要因を専門メディアが検証! 英紙は「オーナーの“無罪”が証明されたというのは時期尚早」と慎重

【関連記事】三笘薫が英紙のパワーランキングで2節連続トップ10入り!「間違いなくビッグクラブを魅了する次のスターとなるだろう」

【PHOTO】カーン、ブッフォン、ノイアー…厳選写真で振り返る過去30年の「超ワールドクラス図鑑」ゴールキーパー編